トランプ大統領から大企業が「逃げる」理由 ビジネス関連助言組織が相次ぎ解散
ドナルド・トランプ大統領は、米国を再建するという大掛かりな選挙活動において、「株式会社アメリカ」という企業の取締役会にリッチな企業の「お友達」を入れるという約束をすることで、ホワイトハウスを手に入れた。
ところが、12日にバージニア州シャーロッツビルで開かれた白人至上主義者の集会をトランプ大統領が明確に非難しなかったことで、こうしたお友達が続々とトランプ大統領の下を去っている。トランプ大統領の助言組織の委員を務める大手企業のCEOたちが一気に委員を辞めてしまったのだ。
まず製造評議会では、14日に医薬品大手メルクのケネス・フレージャーCEOが辞任を表明。これに対して、トランプ大統領がフレージャーCEOを名指しで非難したことから、不満を持ったスポーツ用品大手アンダーアーマーのケビン・プランクCEOやインテルのブライアン・クルザニッチCEOがこれに続いた。
焦る企業の広報担当者たち
さらに、より著名な企業人が参加する戦略・政策フォーラムも事態を深刻に受け止めた。米メディアの報道などによると、米大手投資会社ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマンCEOが16日に急きょ電話会議を開いたところ、多くの委員が辞任の意を表明。ゼネラルエレクトリック(GE)の元CEO、ジャック・ウェルチ氏は、トランプ大統領を非難する共同声明を出す一方、フォーラム自体は続けることを主張したが、結局は、IBMのジニ・ロメッティCEOが、白人至上主義集会後、米国に瞬く間に広がった「非難と解散」という言葉を使って解散することを決めたようだ。
その後、フォーラム側からトランプ大統領に解散を伝えたようだが、トランプ大統領は「製造業評議会と戦略・政策フォーラムに所属する企業人にプレッシャーをかけるくらいなら、両方とも終わらせる。ありがとう!」とツイート。2つとも自らの意思で解散したと主張した。
一方、2つの助言組織に関与している多くの企業の広報担当者は、14日と15日、必死に記者たちに連絡を取り、トランプ大統領自身が委員会を解散させたという主張に対抗していた。
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