「勉強しなさい!」が不要な子の"家庭内習慣" まずは親がネガティブ感情を取り払おう

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いま一度、家庭内が勉強モードに入れる環境であるのか、検討してみる必要があるでしょう。山村さんのお子さんの場合は、ゲームやスマホの時間が増えているようですね。身の回りにそれらがあり、簡単にできる状況にあるということだと思います。勉強とゲームやスマホであれば、後者を取るに決まっていますよね。これを阻害要因といいます。ゲームやスマホ自体が悪いのではなく、それが勉強をする際には、阻害要因になっているという意味です。ですから工夫が必要になります。

以上のように、2つの前提条件、「小さい頃から勉強に対して強いネガティブな印象を持たせていない」「子どもが勉強する際に、家庭内に勉強することを阻害する要因がない」が少なくともクリアされていなければ、いくら、「勉強しなさい」と言わないようにしても勉強するようにはなりません。

それぞれの対策

では、山村さんの場合、どうすればいいでしょうか。2つの前提条件が満たされていないことを前提に、それぞれの対策についてお話しします。

前提条件その1について

親の勉強に関する強いネガティブな気持ちはそう簡単に消せないので、あえて消しません。また子どもがネガティブ感情を持っていても、それもあえて消しません。消そうと思えば思うほど、そのことに執着するので消えにくくなります。その代わり、子どもの興味関心がある分野を徹底してやらせ、追求させるという方法を取ります。たとえば漢字が好きなら徹底して漢字をやるといったことです。

好きなことだけをやらせるというのは、極端でリスキーなことにも見えますが、本当に勉強のできる子はこの方法で勉強のきっかけをつくっている場合が多いのです。つまり“一点集中突破”という方法です。いろいろと“まんべんなく”はやりません。先ほど漢字の例を挙げましたが、科目であれば比較的好きな科目だけやります。それを徹底するのです。すると他の教科についても、タイムラグはありますが、じわじわ効果が上がっていきます。ひとつのことで自信がつくと、関心の輪、影響の輪が広がる可能性が高いのです。

前提条件その2について

これは簡単です。親御さんが意識して、阻害要因をなくせばいいのです。または、時間帯を設定して、ある時間帯だけは、勉強モードになる環境をつくればいいのです。もし、どうしても家でそれができなければ、図書館の自習室などを使う方法もあります。本気で環境を整えようと思えば、工夫はいくらでもできるものです。

このようにして2つの前提条件を整えてから、「勉強しなさい!」と言うのを徐々に減らしていってみてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

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