女上司に悩む男は「雑談」を相当軽視している 結果のみの「報・連・相」で女性は納得しません

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オトコのキャッチボール型コミュニケーションは、フォーシームの直球ばりにちゃんとした回答をしたい。自分がゴールと考える「正しい」方向に引き込む回答に尽力します。女性は細やかで色んなことに気が効くので、オトコは「細かい!」「そこモンダイじゃない!」と心の中で叫びつつ「大丈夫です」とツレない回答。それがオンナはカチンときて、色んな穴を指摘していき、次第にオトコは色々とボロが出てしまうという構図です。

上司が気になるのには、何かしら理由があるはず。自分の伝えたい本筋とは違っても、相手の反応に合わせるのが、ダンス型コミュニケーションです。例えば、

「ココは○○の検討をして、○○さんへの確認まで済んでいますが、気になる所がありますか?」
「コッチは、実は最初から検討の対象外にしています。一応確認した方が良いですかね?でもそこまで詳しく確認しなくても良いかなって思いますが……」

と、経緯も踏まえて上司の質問に答える。対する上司の反応は、「あ、OK、だったら良いよ」かもしれないし「やっぱり、もう少し調べようよ!」かもしれませんが、いずれにしても二人の仕事は大きく前進します。

あえて「弱み」を見せるとかえって上手くいく

最後は「ピンチ」。先ほどの「回答」の会話シーンで女性上司から詰められた状態です。キャッチボール型のオトコの場合、あぁもぉ!会話のキャッチボールにならん!と逆ギレしたり、女性上司と話すのを避けてしまいます。女性上司との仕事でドツボにハマる男性社員の典型的な結末です。

ダンス型の場合、ピンチの際の対応法には別の選択肢があります。必殺「ロープ・ブレイク」、弱みを見せる対応です。オトコは女性に強くて頼れる自分をアピールしたくなりますが、人間というものは、相手が知らないこと、出来ないこと――弱さを認めた時に親近感を抱くもの。特に女性上司は「あなたが困ってること=私にできること、ある?」と聞いて親近感を感じたい。

「実は、この領域は詳しくないので意味が分からないんです」
 「今、急ぎのタスクを抱えていて、コッチの対応は来週になってしまいます」

と、素直に困っている自分、弱い自分を見せると、親身に相談にのってくれたりサポートをしてくれます。時には相手に自分を委ねるのが、ダンス型コミュニケーションのコツです。

オトコは黙ってキャッチボール型コミュニケーションよりも、日々のプロセスを雑談する、意外な質問にもこたえる、時には弱みも見せる……。そんなダンス型のコミュニケーションは、仕事に限らずオンナとオトコのコミュニケーションの基本なのかもしれません。

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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