日本のブラック部活動は「ゆとり化」すべきだ 内田良氏×島沢優子氏が語る(後編)

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内田:それと、僕が外部コーチに期待するのは、まずは部活動を“冷ます”ことですね。外部指導員個々の教育や発掘も大事だけど、そこから先を少し考えたいですね。既存の民間スポーツクラブ、あるいはそこにいるコーチをどうやって活用していくのかという。

民間スポーツクラブやコーチを活用していくには

ジャーナリストの島沢優子氏(撮影:尾形文繁)

島沢:地域型ではなく、民間のスイミングクラブや体操、サッカークラブなどですか?

内田:そうです。そこと、部活動というパブリックなシステムをどうすみ分けしていくのか。これからどういう設計がありうるのかなと考えています。だって、オリンピック選手は結構民間クラブで育っていますね? そこでは当然効率のよいトレーニングを受けているわけで。

島沢:水泳や器械体操、卓球など、日本がメダルを獲得してきた競技、たとえば日本の水泳界、日本の卓球界の人たちは世界基準の指導を目指しています。彼らは、子どもに主体性を持たせるなど人格もしっかり伸ばさないと世界で戦えない。指導者が人格的に世界レベルの人材が多ければ、おのずと選手もそうなります。そこには暴力とかパワハラ、理不尽な指導は皆無なんです。

内田:民間のスポーツクラブって、民間だから勝って評判を上げなきゃいけないでしょう? だから、勝ちに向かう傾向はあると思うんです。それって、ともすると教育から遠いような存在に見える。ところが、意外にそうでもないのかなと、今思い始めました。実は民で徹底すれば意外と教育的な効果があるんですね。

島沢:そうなんです。水泳や器械体操、早期に才能が絞られる卓球などは、クラブが育成の主軸です。スポーツの強化を学校部活が担っているのは、バスケットボール、バレーボール、高校野球、ラグビー、柔道など、限られた種目しかありません。サッカーもクラブ育ちが増えています。

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