ネットに出回る「偽造医薬品」の危ない実態 「身を守る方法」を専門家に聞く

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

まずは、どのような品目の医薬品に注意すべきか知っておくことが大切だ。インターネット経由で偽造医薬品の被害にあいやすいのは「ED治療薬」「抗肥満薬」「育毛・養毛薬」といった医薬品。そして最近は、これらに加え、シワ改善の目的で用いる「ボツリヌス毒素製剤」の偽造品による被害も増えている。

ほかの医薬品に比べて、この4つの医薬品の偽造品が多く出回る理由は2つあると考えられる。1つは自費診療の薬だということ。抗肥満薬は、高度肥満症に対しては保険適用となるものの、それ以外、つまりダイエット目的の場合では自費診療となる。ED、薄毛、シワの治療も同様だ。いずれも保険適用はなく自費診療となる。病院と薬局の窓口で支払う金額の合計を考えると、通販で買ったほうが安い場合があるのだ。

もう1つの理由は、対面で買うのに「恥ずかしい」といった心理的抵抗が働きやすいことが挙げられる。インターネットなら、医師や薬剤師に根掘り葉掘り症状について聞かれることがなく、待ち時間も不要だ。こうした消費者の心理をうまく利用した結果、偽造医薬品のターゲットにされやすくなる。

インターネットで購入する際の注意点

では、インターネット経由でこれらの医薬品の購入を考えている人は、どのような点に気をつければいいのか。

被害を遠ざけるために心がけることが3つある。

(1)インターネットを利用しない

(2)薬局で薬を買う

(3)やむをえずインターネットを使う場合は、信頼できるウェブサイトを経由して購入する

偽造医薬品の真偽を見極めることは大変難しい。よって、大前提として偽造医薬品が自分の手元に届いてしまう前の段階で食い止めることが大切だ。

「女性であればダイエットや美容関連の薬、男性だとED治療薬など、人に知られることなく、ときに安く購入できます。しかし、安易な気持ちで、インターネット経由で医薬品を購入すると偽造医薬品の被害にあう可能性が高いのです。手間やお金がかかっても、しっかりとした医療機関で購入することをおすすめします」(薬剤師・Yさん)

次ページどうしてもネットで購入しなければならない場合は
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事