ネットに出回る「偽造医薬品」の危ない実態 「身を守る方法」を専門家に聞く

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それでも、どうしてもインターネットを使って医薬品を購入しなければならない場合には、サイト選びの際にチェックしたい4つのポイントがある。

・医薬品販売の許可を受けた事業所が運営するウェブサイトであること

・日本語が不自然でないこと

・発送元が日本であること

・事業所や工場の所在地が日本であり、その場が不自然でないこと

医薬品の販売は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって、薬局開設者と医薬品販売許可を受けた者に限られている。これはインターネットにおける販売も例外ではない。そのウェブサイトが、医薬品販売の許可を受けているかについては必ず確認したい。

また、事業所や工場が日本国内だったらそれでいいというわけではない。工場が「東京都千代田区」という都心のど真ん中といった、ありえない所在地になっている場合があるので、記載された情報を鵜呑みにせずに確認するのもひとつの手だ。

正規製薬会社が作った“品質不良品”にも注意

さらに、これから夏休みを迎え、海外旅行中に購入する医薬品に関しても注意が必要だ。

「開発途上国への旅行で薬が必要になった場合には、多少高くても外国人観光客が多く訪れる店で購入すると安心です。また、その際は、できるだけ先発品メーカーまたは日本でも知られているメーカーの医薬品を選ぶほうがリスクが低いと思います」(坪井氏)

開発途上国では、正規製薬会社が作った医薬品でも“品質不良品”が存在し、有効成分が少なすぎたり、多すぎたりする医薬品が店頭に並んでいる可能性がある。だが、先発品メーカーが製造した医薬品の場合は、品質不良品に当たる可能性が低いという。

また、体調が悪いときに、海外旅行帰りの友人などから、たまたま海外で購入した医薬品をもらうような場面があるかもしれない。このような場合にも注意が必要だ。

「海外で購入した医薬品を友人が悪気なく善意で譲ってくれるかもしれません。しかし、その中にも偽造医薬品が紛れ込んでいる可能性があります」(薬剤師・Yさん)

偽造医薬品の被害にあわないための対策は決して難しいことではない。誰にでもすぐに実践できる。ぜひ、これらのポイントを踏まえ偽造医薬品の被害から身を守り、安心して薬と付き合ってほしい。

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