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10年後、台所から包丁が消えるかもしれない 地方の衰退は、必ず東京にはね返ってくる

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渋澤:地方に人が大勢いて、経済が活発に営まれているのは、昭和の幸せの図ですよね。でも、これからは違う幸せを追求してもいいと思います。GDPでは測れない豊かさといったらいいのでしょうか。

たとえばおいしい空気とか、新鮮な野菜、果物、海産物といった自然資源の豊かさに恵まれた生活は、GDPという数字で表されるものとは違う、目に見えない価値があります。海士町も、都会に住んでいる人たちが、シンプルライフにあこがれて、結構Iターンしています。

企業価値だけでなく、物事の本質を見極める力がある。「草食投資隊」が個人投資家から支持されている理由はここにある(左からセゾン投信の中野晴啓社長、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長兼CIO、コモンズ投信の渋澤健会長)

危機感があれば知恵を絞る

中野:確かに、それはロマンですよ。でも、現実問題として、人口の集積がないところに経済は成り立たないわけじゃないですか。私は、この日本の中で地方自治体のスクラップ&ビルドが必要だと考えています。存続すら危ぶまれている地方自治体がたくさんありますが、そこに補助金をどんどん注ぎ込むのはやめにしたい。補助金があるから危機感が高まらず、誰も知恵を出さなくなるのです。

渋澤:そうですね。海士町も、実質的に補助金がゼロというわけではありませんが、このままでは豊かな未来が描けないという危機感があったからこそ、皆が知恵を絞って、今の状態まで改善したわけです。危機感があれば、現状を打破するために、いろいろなチャレンジができるはずなのです。危機になってからでは、遅いですからね。

中野:さらにいえば、地方交付税は、「中央政府が地方をコントロール下に置くために払っているおカネ」といっても過言ではありません。成長に競争はつきものですが、すべての自治体をほぼ平等にするための地方交付税がバラまかれているような状態では、地方の真の活性化は望めないでしょう。本当に地方を活性化させたいならば、もう一度ここに手を付ける必要があります。

渋澤:モルヒネが効きすぎている状態ですからね。地方交付税や補助金のあり方を抜本的に改革し、子供の教育に回すなど真の未来への長期投資をすれば、地方はよくなると思います。

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