「阪急うめだ本店」なぜ婦人服が絶好調なのか 広域から顧客を呼び、足元の売上高は2割増

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改装によっていったい何が変わったのか。

3階は、最新の流行を取り入れたモードファッション専門フロアに生まれ変わった。目玉は「D-ラボ」「D.エディット」と名付けられた本店独自の自主編集売り場だ。

阪急うめだ本店3階にある自主編集売り場「Dーラボ」。国内外の新進気鋭のブランドを取りそろえている(記者撮影)

これまで阪急百貨店で取り扱いのなかった個性の強い欧米やアジアの若手デザイナーブランドを中心にそろえた。世界中から商品を調達するようになった結果、取引先の構成がこの1、2年で大きく変わったという。

ほかには、訪日客からの人気の高い「コム デ ギャルソン」なども誘致した。3階のフロアは、他社にはないもの、差別化を図る売り場というコンセプトがある。それによって、客層の幅が広がり、関西エリアだけでなく広域から新規客を取り込めるようになった。

海外も含め広域から集客

「広域」には訪日外国人客も含まれる。大阪地区の百貨店は今年に入り、訪日客数が再び増加、免税売上高が大幅に伸長している。阪急うめだ本店でも7月の免税売上高は前年同月比約7割増と絶好調。化粧品など免税品を買いに来た訪日客を、婦人服売り場に呼び込むことにも成功している。

4階は、現代的な旬なファッションを楽しむコンテンポラリーファッションフロアに改装した。その特徴は服を使うシーンごとに分けた提案型売り場に変えたことだ。

たとえば、「都会の要素を意識し、旬のアイテムをそろえたアーバンスタイル」「友人の結婚式に行くスタイル」「休日に近場に外出し食事を楽しむときのスタイル」「ビジネスカジュアルも意識したオフィススタイル」といった具合だ。

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