あなたが知らない児童労働の過酷すぎる現場 劣悪な環境に置かれる1億6800万人の子供
堀:その健康被害が出た子供たちっていうのはきちんとした医療的なケアは受けられるんですか?
岩附:受けてはいるんですけど、多分家族にとっては病院に行くというのがすごく負担で。日本みたいにちょっといけば病院があるという地域ではないので、大きな病院行って、お金がかかって、それがまた借金になってみたいな形もあります。ACEで、コットン畑で働いていることが原因で体調が悪くなった子をインタビューしたんですけど、その時は「お父さんを説得してもどうしようもないんだ、働くしかないんだ」と言われて働き続けることになってしまって。結局その子は助けられなかったんです。
堀:というのは?
岩附:亡くなっちゃったんですけど。
堀:何才くらいの子?
岩附:10才、11才くらいの子ですね。
堀:小学生ですね、日本でいうと。
岩附:それはすごく悲しかったことの一つで。そういう意味では、児童労働というのは命に関わる問題でもあって。単に学校に行けないとか遊ぶ時間がないとかだけじゃなくて、本当に命に関わる問題でもあるということですね。
堀:農薬散布の実態以外にも、「危険な」現場って児童労働の場合、他にどんなパターンがあるんですか?
岩附:漁業もありまして。浮きみたいなものを海に置いておいて、そこにずっと何度も潜ったり上がったりしてお魚を取るですとか。
堀:その何回も上がって下がってというのは、圧がかかるということ?
岩附:そうですね。健康的にもよくないですし、そもそも働いちゃいけないですけど、労働環境としても劣悪。あと、インドですと、ガラス細工とかマッチとかの工場とかでも子供が働いていて。ACEが支援しているガーナですと、農作業なんですけど、刃渡り30センチくらいのナタで開墾といって森を切り開いて苗を植えるんですけど。まずその畑まで行くのに結構炎天下を歩いて、開墾して蛇に噛まれたりとか、切り傷があったりとか。切り傷をしてしまっても対応がうまくできていないので、それがすごく悪化して膿んだりとか、そういったこともあります。
堀:他にはどんな例がありますか?