あなたが知らない児童労働の過酷すぎる現場 劣悪な環境に置かれる1億6800万人の子供

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児童労働って、その子の「今」「子供時代」を奪っている

岩附:子供って希望や夢を持って生きているものなのかなという風にその時思ってたんですけど。実は児童労働って、その子の「今」「子供時代」を奪うだけじゃなくて、将来どうなりたいとか、こういう夢を持っているんだという夢や希望とかも奪ってしまう、そういうものなんだなというのをその時にすごく感じて。自分自身が価値があって、社会の中で責任がありながらも自分らしく生きていけるんだというようなそういう心持ちを奪ってしまう、そういうものなんだなというのをすごく感じたことがあります。

:子供が、選択するための教育も受けられないし、この社会にどういう選択肢があるのかを知らされることもなく、ひたすら目の前の労働に従事させられるわけですよね。

岩附:そうですね。ただ目の前にくるものを受け入れる、「自分にはそれしかないんだ」という諦め感を、まだ本当に小さいのに身についてしまっているということ自体がすごく悲しい。やはり、児童労働というのは、もちろん貧しいから働かなくてはいけないとか、親の事情とかある中でのしょうがない選択肢だけれど、子供にとっては絶対にさせてはいけないことで。子供は教育を受ける権利もあるし、子供として遊ぶ権利もあるし、そういう子供の権利を守れる社会にどうやったらなっていけるのかというのをもっといろんな人が考えるというのが必要だと思います。

混乱に乗じて悪化する児童労働

:実はこの間、シリア難民の子供たちの支援をしているNGOの皆さんとお話をして、現場どうですかと聞くと、難民キャンプ入った子、入らない子含めて、児童労働と隣り合わせなんですね。

岩附:そうですよね。そこも本当に児童労働の課題の中で、ちょうどこれから開催される11月の会議の中でも取り上げられると思いますけど、そういう危機が起きた時の反応として難民の子供達ですとか、災害ですとか、そういう時に発生する児童労働にどう対応していくのかというのも重要なテーマだと思います。例えば、自然災害で洪水が起きたりすると、人身売買とか人身取引が増えるんです。その混乱に乗じて、インドの場合だとよく洪水が起きる地域があるので、電車で子供達を連れて行ってしまう。その駅でNGOが待ってそれを止めるということもあったり。本当に何か混乱が生じた時に、それで児童労働に連れて行かれてしまうという子供達もいるので、だんだん最近そういう事案が増えて行っているというのも現状だと思います。

:それは親御さんでも本人の意思でもなく、連れ去られて行って労働に従事させられるということですか?

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