「資料を棒読みする人」に人の心は動かせない 「ストーリーテリング」を知っていますか?
どうすれば「すごいストーリー」を構成し、語れるようになるか、そのエッセンスを紹介しましょう。すばらしいストーリーは、必ず次に挙げる「P」で始まる3つの要素で構成されています。つまり、
①前提(Premise)
②話の筋(Plot)
③登場人物(People)
の3点を話せばいいのです。
聞き手が抗えない「前提」を共有する
具体例として、「社内の業務改革プロジェクト」の提案をプレゼンするときのストーリーはどうなるでしょうか。
まず話すべき【前提】は、「自分が伝えたいメッセージ」と「聞き手を取り巻く世界」をつなぐために必要な要素です。
たとえば、聞き手が社内の人たちであれば、「会社の使命」や「価値観」「ビジョン」をはじめ、「会社が築いてきた歴史や物語」といったものがあります。「会社が置かれているビジネス環境」や「業界の動向」も【前提】として挙げることができるでしょう。自分が語ろうとしている中心的なメッセージと強い関連がある状況や環境のうち、聞き手との関連が大きい部分を【前提】として設定するのです。
次に【話の筋】です。【前提】として取り上げた状況や環境の周囲で「何が起こっているのか」、そして状況や環境に対して「どのような影響を与えているのか」を話すのです。
たとえば、
「自社が身を置く業界が厳しい経営環境にある(=前提)なかで、顧客から20%のコストダウンを求められている(=話の筋)」
といった具合です。
【前提】としている状況や環境に対して影響を与える出来事は、【前提】に対するある種の反応であったり、時にはどうしようもない圧力によってもたらされる難題であったりするでしょう。このあたりの展開は、テレビドラマや映画の主人公に、どうしようもない難題が降りかかってくると、観ている側としては「いったいこの先どうなるのだろう」と興味をそそられるのと同じです。
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