うっかり川でエイを釣ったら食べてしまおう 「捕まえて食べる」という大冒険

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まず最初に挑戦するのが、世界で2番目に臭い料理と言われるホンオフェである。しかもこれをエイを捕まえるところから始めてしまう。どこで釣れるのかも分からなかったはずなのに、ある日自転車で川へ行きノホホンと釣りをしていたら、うっかりエイが釣れてしまうのだ。

自宅戻って下処理を終えたら、大きなエイを皮付き状のまま厚手の手漉き紙に包み、大きなかめに積み込んでいく。そのまま冷暗所で10日ほど保管すれば出来上がり。エイの体内から湧き出すアンモニア成分によって雑菌が繁殖できないため、腐敗はしないそうだ。

(写真:坂 祐次)

「バーベキューでもしませんか?」と声をかけ…

さらに悪ノリは続く。仲間に「バーベキューでもしませんか?」と声を掛け、河原でホンオフェのパーティーを主催する。これを食べた友人たちの食レポが強烈だ。

“生ゴミというか、魚の解体場の臭いでした。”

“特に鼻から抜けるニオイがぼっとん便所そのものでひやりとしましが、奥の方から微かに珍味の味がしたので、辛うじて食べられました。”

“飼い猫の肛門のニオイがしました。”

このように個性が強すぎるホンオフェだが、「口に入れてすぐ、追いかけるようにトロッとしたマッコリを流し込むと、これが抜群にうまい」というフォローのような一文が添えられていたことは、付け加えておきたい。

続いて挑戦するのが、アナジャコである。「干潟の穴に筆を刺すとシャコが捕れる」という何かで見かけた怪しい情報だけを元に、いきなり干潟へと向かう。その様は、ただ穴に棒を突っ込みたいだけの思春期的な欲求で突き進んでいく中学生の姿を彷彿とさせる。

近所の100円ショップで習字用の太筆5本を購入し、分からないことはそこにいる達人風のおじさんに聞く。その気になれば、何だってできるのだ。 はじめは少し苦労するものの、爪を人差し指の先で穴の壁面にグッと落し付けて見事捕獲に成功。ちなみにこれを塩茹でにして食べている模様が掲載されているが、正直エビの方がおいしいとのこと。

さらに「穴に塩を入れてマテガイを捕る」という試みにも挑戦していく。マテガイのいそうな場所を、シャベルか鍬で5センチくらい掘るそうなのだが、まずマテガイのいそうな場所というのが、分かりそうで分からない。まさに干潟のモグラ叩きだ。

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