四国の野球「独立リーグ」、今も見えぬ未来図 生き残りに向けて、所属4球団が続ける挑戦

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南はチーム作りの際に、勝つ事に飢えている選手、NPBを本気で目指したい選手に集まってもらったという。「その分、選手間の競争は激化しました。独立リーグには、選手の養成という目的もありますが、選手は競い合ってこそ、上手くなると思っています。チーム内で競争がある中でも監督、コーチ、トレーナー、選手が一体になったのが、優勝できた大きな要因です」。

今後、四国「4球団」は観客動員を押し上げられるか

しかし、優勝はしたものの、残念ながら肝心の観客動員は伸びなかった。徳島は、明石海峡大橋と大鳴門橋で淡路島を経由し、関西圏と道がつながっている。開通当時は関西からの観光客増に期待がかかったが、結果は違った。2時間ほどで神戸に行けることから、期待とは逆に徳島の消費は減退してしまったのだ。交通網の整備によって人や経済などが大都市に吸い上げられるようになる、いわゆる「ストロー現象」である。

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徳島の野球ファンからは「甲子園で阪神を応援して、『六甲おろし』を歌いながら車で帰って夜半すぎには家に着く」という話を聞いた。

確かに、比較してしまうと甲子園で行われる阪神戦のほうが、さまざまな面で華やかで吸引力が高い事は否定できない。徳島が本拠地にするJAバンク徳島スタジアムは老朽化が進み、見劣りしてしまう。

今季から「四国アイランドリーグplus」の理事長に就任した中村俊洋は、様々な企業に経営参加して、会社を立て直してきた「経営のプロ」だ。「前年から役員として経営を見てきましたが、このリーグは観客動員の面で、もっと努力できる余地があるのではないかと思います」と指摘する。

「四国アイランドリーグplus」として、NPBとの連携強化を図りつつ、4球団の経営を個別に強化していく必要がある。これが、中村の考えだ。

「強いだけではお客が来ない」という現実。そこに、独立リーグが抱える課題が見えてくる。「野球」の充実と「地域密着」が両輪にならなければ、将来の明るい展望は開けない。

(文中一部敬称略)

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