意外と知らない「留置場」と「拘置所」の違い ニュースでは頻繁に耳にするが…

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そのため、勾留決定が出されても被疑者として留置場での留置が続き、検察官に起訴されて被告人となった段階で初めて、拘置所に移監される例がほとんどです。

被逮捕者として留置場に留置できる期間は最大72時間、被疑者として留置場に勾留できる期間は原則として最大20日間です。被告人となって拘置所に勾留される期間に法律上の制限はありません」

留置場と違い、拘置所での面会時間は午後5時まで

それぞれの特徴はどういった点だろうか

「留置場には単独室はありません。共同室となります。食事は3食とも弁当であるのが普通です。医師は常駐しておらず、病気になると外部の医療機関に受診しにいくことになります。起訴される前は、取調がなされます。ただ、弁護人との面会時間について事実上制限はなく、執務時間外である午後5時以降も面会が認められます

拘置所には単独室も共同室もあります。支所など小さな施設を除き、食事は施設で作られるものが提供されるのが普通です。医師が常駐しているのが建前ですので、施設内の診察室で診察を受けることができます。

起訴されてから拘置所に移監されるのが普通ですので、取調がないのが普通です。弁護人との面会時間は執務時間内である午後5時までしか認められないのが原則です。例外的に、夜間や土曜日・日曜日の面会も認められないわけではありませんが、厳しい要件があります」

水野 英樹(みずの・ひでき)弁護士
第二東京弁護士会所属(1990年弁護士登録) 1990年~日弁連・刑事拘禁制度改革実現本部委員(旧名称:拘禁二法案対策本部)
事務所名:水野法律事務所

 

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