日本人リーダーに最も欠けている「視点」 本当に自信を持つにはどうしたらいいのか

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自分の人生の目標が明確な人ほど、自然と自信が持てるようになる。それは、自分の行動の理由を理解しているため、他人に自分を認めてもらう必要がなくなるからだ。「自信とは、行く先がハッキリしているということだ。つまり、自分の能力を最大限に生かし、なぜそれをやっているかを知りながら、自分の行動を明確に理解するということだ」(グラール氏)。

目標とその理由を明確に理解している自信に満ちあふれたリーダーには、多くの人が付いてくる。「自信のあるリーダーは、部下に圧力を加えるのではなく、それぞれの長所を見抜くことができる。チームや組織にはこの視点が必要だ」(グラール氏)。

「成功する企業=幸せな企業」ではない

目標を立てる場合、何より大切なのは人生の目標を定めることである。人生における目標とは、「的の後ろにある的」となり、人生のモチベーションにつながる。「これを定めた時点で、今度は企業のビジネス目標を明確にすることができる」とグラール氏は話す。

自分にとって意義のある仕事を人生の早い段階で見つけられる人がいる一方で、いつまでも探せない人がいるのはなぜだろうか。ほとんどの人は、幼い頃から自分の欠点や不足点ばかり教えられる。しかし、自身が得意なスキルや能力を向上することに集中するほうが、個人にとってはいいかもしれない。現在多くの企業では社員の「成績」を向上させるために評価制度を用いているが、その中で個人のニーズに目を向けることはほぼない。

もちろん逆もある。自分の幸せよりも地位や名声、カネなどを優先する人もいるだろう。が、これに対してグラール氏は、「おカネは貯まるかもしれないが、こうした生き方には『なぜ(それをするのか)』という部分が欠けている」と話す。

こうしたリーダーがいれば「企業としては成功するかもしれないが、『幸せな企業』とは言えない」(グラール氏)。仕事で幸せを感じるには、まず自身の根幹にある価値観を満たす必要がある。そのためには、自分を光らせるスキルや能力が何かを突き止めなければならない。

リチャード・ソロモン 経済ライター、Beacon Reports発行人

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Richard Solomon

英ロンドン・ビジネス・スクール卒。欧州のICT業界向けメディア、ESNメディアグループの発行を手掛けた後、来日。日本社会が抱える問題や日本のリーダーなどに関するメディアBeacon Reportsを発行。The Nikkei Asian ReviewやThe Japan Timesなどにも寄稿している。

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