異色TVゲームで学ぶプログラミングの神髄 あなたも誇り高き社畜になってみませんか

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やりこみ要素も充実している(写真:フライハイワークス提供))

またプログラムも1度書いてお題をクリアしたら終わりではなく、やりこみ要素も存在する。

それぞれのお題には「サイズ目標」と「スピード目標」が設定され、それぞれプログラムの行数を短くすることと、プログラムのステップ数(箱を置いたり足したり比較したりする回数)を少なくすることを目指せる。1度クリアしたら、立ち返って効率的なプログラム制作にチャレンジしてもいいだろう。

わかりにくい点とは?

非常に楽しいヒューマン・リソース・マシーンであるが、多少わかりにくい点もある。

命令の使い方などは面をクリアすることで段階的に覚えていくことができてわかりやすいのだが、わかりにくい点がないわけではない。特にお題に対して何を出力していいか悩むことがある。

それも、ちゃんと画面を見れば上司と話す選択肢の中に「回答例が欲しい」がある。これを選択すれば、上司が具体的な回答例を提示してくれる。困ったときはこれをよく見て考えれば、なんとか理解できるはずだ。

ほかには、タッチしてプログラムをスクロールするときに、間違って命令を動かしてしまいがちな点もある。もし、そうなったときは「一手もどす」を利用して元に戻さないと、ただでさえグチャグチャなプログラムが、どうにもならなくなるので、要注意。

ゲームを起動する際には、操作方法は2つから選べる。最初の画面タッチとジョイコンの絵が出ているところで、画面をタッチするとタッチ操作に。ジョイコンのボタンを押すとジョイコンでの操作となる。

ただ、ジョイコンでの操作はジャイロの傾きでカーソルを動かすという操作には違和感を覚えた。このあたりは難点かもしれない。

実をいうと、僕も過去にC言語を学んでいたことがある。決して仕事に使えるようなレベルではなかったが、ポインタくらいは理解できていたつもりだ。専門学校時代に、このゲームの最終課題である、ソートのプログラミングなどを苦労しながら作っていたことを思い出して、懐かしい気分に浸れた。

今はもっと高級な言語からプログラムを始める人が多いし、ソートなんて関数に数列や文字列突っ込めば何も考えずともできるが、こうした数値や文字列をいじるだけの地味な作業もまた、プログラムの醍醐味である。

このヒューマン・リソース・マシーンは、プログラムのことを何も知らない人がプレーしても面白いが、日頃プログラムに接し、高級言語に慣れた人がプログラムの原点に返る意味でプレーしてみても、楽しめること請け合いだ。スパゲティナポリタンのように、頭をパスタとケチャップでグチャグチャにして遊ぼう。

赤木 智弘 フリーライター

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あかぎ ともひろ / Tomohiro Akagi

1975年栃木県生まれ。2007年にフリーターとして働きながら『論座』に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」を執筆し、話題を呼ぶ。以後、貧困問題などをテーマに執筆。主な著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』などがある。

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