「幕末、最強の剣士」は結局のところ誰なのか 「坂本龍馬、沖田総司、高杉晋作…」総合力は?

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今回も、よく聞かれる質問に答える形で、解説しましょう。

時代はまさに「剣術ブーム」

Q1. そもそも、なぜ幕末には剣士が数多く登場したのですか?

当時の「剣術ブーム」が関係していたと思われます。

1853年の黒船来航により、「日本はいずれ外国に攻め込まれ、戦争になるのでは」という懸念がその当時、蔓延していました。そこで剣術が再び注目され、武士に限らず農民など身分を問わず剣術を志す人が増えていました。

維新の英雄たちも、そのほとんどが剣術を学び、技を磨いています。

Q2.「剣術の流派」って、昔からいろいろあったのですか?

たくさんありました。江戸時代中期には、すでに江戸の町だけで100を超える流派が乱立していました。

Q3. 幕末期はどの流派が人気だったのですか?

「鏡新明智流」(士学館)、「北辰一刀流」(玄武館)、「神道無念流」(練兵館)が特に人気だったようです。

この3つは、後世「幕末江戸三大道場」と呼ばれ、いずれの道場も多くの門下生を抱え、数々の優れた剣士を輩出しています。

Q4. ほかには、どんな流派が知られていましたか?

柳生宗厳(むねよし・1527-1606)が始めた「柳生新陰流」、宮本武蔵(1584?-1645)の「二天一流」、東郷重位(ちゅうい・1561-1643)の「示現流」なども有名です。いずれも、時代劇等でおなじみの剣豪を祖とする流派です。

前述のとおり、江戸には道場が乱立しており、現実問題として各道場は経営維持のため門人集めに必死でした。そのため、こうした先人の偉業を宣伝文句にするなど、ほかとの差別化をはかることが大切でした。

Q5. 幕末期の剣士たちも強かったのですか?

皆、かなりの使い手だったことが記録に残されています。

ただ、戦国時代とは異なり、彼ら同士による直接の対戦はほとんど行われていません。そのため、「誰がいちばん強いか」を決めるのは、なかなか困難です。

まずは、彼らの「遍歴」をそれぞれみてみましょう。

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