実母が「子なしの娘夫婦」を冷遇する理不尽 親の間違いを指摘するのも娘の役割だ

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もう1つのパターンは、これはもっといけないことですが、たとえば妹の夫君のほうがあなたの夫君より社会的な地位が上だとか、稼ぎが良い・実家が裕福だとか、そんないわゆる世間でまかりとおる条件面の差による差別感情が、実際に母上にあるか、あなたの夫を好きになれない感情がある場合です。

あるいは、今回が初めての里帰りということは、あなた方は何か行事があるときにしか訪れない、頼りがいのない娘夫婦かもしれません。これに対し、妹夫婦はもっと頻繁に親と連絡を取っているか金銭的援助をしているなど、妹に頭が上がらない理由が母上にあるのかもしれません。

ただし、もしこれらが当てはまったとしても、親としてあなたを見下すこととは別です。母上のあなたへの薄情な言葉が本音なのか口から出まかせなのか、あなたにも反省すべき点があるのかほかに事情があるのかなど、原因をよく確かめる必要があります。

子が親を教育する必要性があることも多い

親も人間です。間違うこともあれば勘違いもあり、子どもから指摘されて初めて気づく場合も多いのです。当分は、どのような言動があなたを傷つけるか、母上と妹に覚えてもらう努力と話し合いを気長に重ねるべきです。

私が当欄を担当させていただいて学んだことの1つは、世間にはわが子がかわいくないどころかわが子を虐待したり差別する親が、私の想像以上にいることです。どうすればそんな感情になるのか私の想像を超えますが、それが現実である以上、そのような親には子ども側から、親を教育する必要があります。

以前テレビで、幼児期に親に捨てられて施設で育った兄弟が、成人しても変わらない母恋しさに、苦労して母親を探し当て、狭い1部屋で3人が同居する実話を見ました。母親は極度のアル中で、さらに息子たちに迷惑をかけ続けます。

夢にまで見た母親との暮らしは、母親を説教したりなだめたり、親子げんかの絶えない毎日でした。蝶よ花よと育てても、ささいなことで断絶する親子も多いのに、彼らは貧しいながらも、最後まで親を見捨てなかった点で、記憶に残っています。

ここで参考になることは、親子間で問題が起きても余程でないかぎり、その都度大ごとにしない知恵が大切ということです。我慢も妥協も必要で、対話はもっと重要です。

このたびのような返答を母上が繰り返すようでしたらそのときは、故郷は遠くにありて思うもの、母親はまぶたを閉じて思うものと割り切り、妹の子どもたちが成人して、祖母宅で手がかからなくなるまで待ちましょう。

子供から親の教育が可能なケースもあれば、もはやまったく変わることも成長もできない、末期的な事例もあるので、これも見極めが大切です。ただ、成熟度が不十分な親による、子供への差別的な態度を、必要以上に荒立てない知恵も求められているのです。

なお、夫君が過度にプライドの高い人でしたら、あなたたち夫婦の間まで亀裂が入りかねません。是非、ご夫君に対し、一層の心配りをなさってください。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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