「かんで痛くない指はない」という一般論。
これは、「自分の指のどれをかんでも痛さが同じであるように、親にとっては自分の子のかわいさに、違いがあるはずがない」という意味です。ですから自分が、ほかのきょうだいに比べて親から差別されているとひがむ子どもに、それが誤解であることを得々と説明するときに、この言葉はよく使われました。
一般的な普通の親なら、わが子への愛情に、いささかの差もないものです。ただし、仕事か勉強がうまくいっていない、病弱だ、特別に神経質だなどと順調でない子には、そうでない子よりは親として、特に手をかけ、配慮するのは当然です。
“不肖の子ほどかわいい”もそうですが、子どもたちには1人も抜けず、順調な人生を歩んでほしいと願う親心が、その時々で子どもによって、心を砕く量に差がつくだけのことです。だからといってほかの子より、よりかわいいのではない、というのが一般的な親の在り方だと思います。
子供差別か単なる誤解か、把握しよう
しかし昨今は、この“一般論”が、当てはまらない親も少なくないようです。ここではご相談文から私が判断できる範囲内で、いくつかのケースを考えてみたいと思います。
まず母上が口下手にすぎず、悪気はない場合と、本当にあなたを差別している場合です。原因によって、接する態度も変えなければなりません。
母上は、とても会話が下手で、心は悪くないがボキャブラリーが乏しく、意味を深く考えていない可能性があります。口から出まかせに言葉を軽々しく発する人は結構いるものです。あなたの抗議に対する返答は、「あきらめなさい」に至るまで、まるで滅茶苦茶だから、そう考えました。
そんな人は、まだ新しい婿(あなたの夫君)に対して何を話せばいいのかわからず、ついつい孫をダシに会話をつないだり、慣れた次女夫婦に、より多く会話することで場をもたせます。あなたの面目丸つぶれで、親としては、絶対にしてはいけないことですが、これは案外よくあるケースです。
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