7月2日の東京都議会選挙後に行われた、朝日新聞、読売新聞などほとんどの主要メディアの世論調査では、内閣支持率は30%台まで大きく低下した。
都議選の自民党敗北は「想定内」だった
2015年秋に安全保障関連法をめぐって世論が割れたとき以来の支持率の低さである。読売新聞調査の政党支持率では、自民党は41%から31%と10ポイント低下。一方で、最大野党の民進党の支持率も7%から6%と引き続き低迷している。つまり、民進党が自民党の受け皿として認識されておらず、「支持政党なし」が40%から47%に増えている。
内閣支持率の低下には複数の要因があるだろうが、「反安倍」を明確にする一部メディアが加計学園問題などを執拗に取り上げたこと、そして都議会議員選挙前に自民党政治家の失言が続いたこと、また改憲スケジュールを明確にした安倍晋三首相に不安を感じる向きがあること、などが挙げられるだろう。
ただ、筆者の7月2日コラム「都議選の結果は日本株にどう影響を与えるか」では、都議会議員選挙の敗北は安倍政権に政治的なダメージが及ぶと指摘したが、冒頭の支持率の低下は、筆者にとっては想定内である。また、民進党が安倍政権を脅かす存在にならないのも予想どおりである。今後、支持率回復を目指す安倍政権が、小池百合子東京都知事らと一定の協力関係を結ぶ展開を引き続き予想している。
そして、足元の支持率低下で、安倍政権が経済政策運営を変えることは考えにくい。読売新聞の調査では、「安倍内閣の経済政策を支持するor支持しない」という質問があるが、2016年半ばから「支持する」の回答は増加傾向にあり、また2017年に入ってから内閣支持率は下がっているが、「支持する」の増加傾向は変わっていない。今後は、内閣改造などを経て、2018年の改憲実現を目指すプロセスに入り、政治の風向きは十分変わりうるとみている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら