ボーナスが瞬間蒸発する人が陥る「7つの罠」 「損得感情」は巧妙にコントロールされている

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わなに引っ掛からないようにするにはどうすればいいでしょうか(写真 : Graphs / PIXTA)

年に何度かある消費のヤマ、うち2つが夏・冬のボーナス支給の時期だ。バーゲンセールが待ち構え、遠出の予定は目白押し、財布のひもも緩みがちになる。本当に欲しいものだけを安く買えればすばらしいが、それだけでは困るとばかり売り手側もあちこちにおいしいエサを仕掛けて待っている。

本来不要なものをうっかり買ってしまうとすれば、それはただの無駄遣い。売り手が仕掛ける底引き網にうっかり掛かってしまわないように、一見おいしそうだけど実はイマイチなエサをじっくり見極めるとしよう。

人は得することが好きだが、損することが大嫌い

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(1)「今買えばポイント5倍」でいくらもらえる?

「カード会員様限定、今だけポイントアップ!」というDMやメルマガが届くことがある。ポイント5倍などと聞くと、今買わないと損する気がしてしまう。

行動経済学でもよく言われるが、人は得することが好きだが、損することがとにかく嫌いだ。5倍のチャンスをみすみす逃すなんて、いかにも損な行為じゃないかと思ってしまう。しかし、本当にそのポイント5倍は損といえるだろうか?

たとえば1万円の買い物をしたとする。100円につき1ポイントもらえるカードなら、1万円で100ポイントの付与だ。5倍ということは、500ポイントで、1ポイント=1円で使えるとしたら500円もらえることになる。しかし、よく考えてみよう。500円を得るために予定外の買い物をするのは、はたして得だろうか、損だろうか? ポイント倍増といわれると普段以上に特別なご褒美がもらえる気がしてしまうものだが、ポイントではなく、あくまで金額に置き換えて計算してみると、冷静な判断ができるはずだ。

私たちは、値引きやおまけを金額以外で表示されるとつい惑わされてしまう。「おにぎり全品10%引き」という表示では、120円のおにぎりなら12円引きなのだが、12円引きと書かれるよりも値引きの印象は強まる。衣料品の売り場で「20%割引セール」では反応がいまいちだったのが、「代金の20%をキャッシュバック」と変えた途端、大盛況になった例もあるという。同じ金額でも、どう表示されるかで私たちに訴えてくるお得感はこれほど違う。「結局、いくら得するんだ?」と金額で考えてみることが必要だ。

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