子どもを褒めない親は「見る目」がなさすぎる

どんな子もやる気になる「目から鱗の褒め方」

褒められると子どもは自信がつき、もっと頑張りたいと思うようになります。自分に自信が持てるようになるので、ほかのこともできそうな気がしてきます。認められたうれしさで心がぽかぽか温かくなってくるので、友達や兄弟にも優しくなれます。認めてくれた相手に対して信頼が高まり、心がオープンになって素直な気持ちになることができます。

ですから、私は懇談会や学級通信などで褒めることの大切さを繰り返し伝えてきました。でも、それを聞いて多くの親たちがよく言うのは、「褒めることの大切さはわかっているけど、いざとなると褒められない。褒めるところが見つからない」ということです。そこで、私が提案したのが「部分を褒める」です。

「部分」に注目して、まず褒める

何事でもそうですが、全体を漠然と見ていたのでは褒められません。つねに「部分」に注目すれば褒められる部分が必ず見つかります。

たとえば、子どもの宿題の書き取り帳に乱雑な字が並んでいたとします。そのとき、すぐ「もっとしっかり書かなきゃダメでしょ。書き直しなさい」と言ってしまうと、「イヤだもん」「書き直しなさい」「イヤ」「ご飯抜きだよ」などのバトルに発展してしまいます。ところが、部分に注目して、まず褒めるようにすると、これよりはるかに望ましい展開が可能になります。

というのも、書き取り帳は1ページで80字くらいありますので、中には偶然上手に書けている字が必ずあるからです。「この『朝』という字、きれいに書けたね。『飛ぶ』という字のバランスがいいね」というように褒めます。あるいは、もっと部分に注目して、「この『辻』という字の『しんにょう』がすごく形がいいね。この『校』という字の左払いがすっきりきれいだわ」と褒めることもできます。

このように毎日部分に注目して10個くらい褒めていれば、日ごとにノートの字はしっかりしたものになります。どうしても直させたい字があるときは、たくさん褒めてから、最後に「じゃあ、これとこれだけ直そうか」と言えば、喜んで直してくれます。つまり、順番も大事なわけで、まず最初に褒めることが大切なのです。

算数の宿題を見たときも同じです。「これバツ。これもバツ。もっとちゃんと考えてやらなきゃダメでしょ。ほら、間違ったところをやり直しなさい」などといきなり言ってしまいがちですが、これでは子どもが反発したくなるのも当然です。まずは、しっかりできた部分を見つけて、「これマル。これもマル。これもマル」と褒めます。マルではないところも、褒められる部分を見つけて、「ああ、これ惜しい。式は合ってるよ。計算ミスが惜しかったね」「図を描いて考えたね。いいことだね」と褒めます。そして、最後に「じゃあ、これとこれ、もう一度やってみようか」と言えば喜んでやってくれます。

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