「はだしのゲン」貸出禁止にモノ申す!

言論の自由が、ヘイトスピーチに屈する社会

教科書が染まりゆく、安倍カラー

ちなみに一般の方々は関心もなく、全然ご存じない話だと思うのだが、歴史教科書が安倍政権の政策で次々と“静かな環境下”で書き換えられている。“教科書検定特別委員会”の結論などというと中立的な印象があるものの、実際には、近代史の記述を“安倍カラー”に変えるための人員選定がなされている。

表向きは“村山談話を踏襲する”と海外向けには話し、外から見えにくい内政では着実に歴史の書き換えを進めるという、安倍政権おなじみの(そして実に上手く行っている)やり方である。

教育界の政治思想からの独立は日本ではもはや破たんしているわけだが、この危険性は時間がかかりかつ大人は学校に通わずわからないので、教育への政治介入は今後も簡単に見過ごされていくのだろう。

「はだしのゲン」にモノ申している市民団体とは…

松江市教育委員会には市民団体から“はだしのゲン”が歴史歪曲・ねつ造が多いとの陳情があったとのことだが、その“市民団体”とは “チーム関西”と呼ばれるいわゆるヘイトスピーチ”で知られるザイトク会に似たような団体の数人であり、その脅しのような模様がこちらに掲載されている。

こうした活動が、松江市教育委員による“はだしのゲン貸出禁止”の直接的原因だとは言わないが、可能性として、今後もこのような大人たちによって、子供たちから「はだしのゲン」が奪われるかもしれないと思うと、嘆かわしい。

「はだしのゲン」の貸出禁止は、終戦式典で首相が20年来で初めてアジアにもたらした苦痛と被害に対する言及および、戦後ずっと受け継がれてきた“不戦の誓い”という一文を削除したのと同根である。

忘れ去りたい歴史や都合の悪い史実を子供たちに見せたくないという、現在の社会的風潮が“はだしのゲン貸出禁止”の背後にあるより本質的な問題点なのだ。

次ページ「はだしのゲン」の貴重な教訓
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