30~40代女性が「美人」ほど婚活で苦しむ事情 「ドキドキ」くれる男を求めて起きた悲劇とは

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瀬川仁美(45歳、仮名)が、私のもとへ面談にやってきた。スラリとしたスタイルに流行の幅広パンツをおしゃれに着こなしている。キメの細かいふんわりとした肌にクリンとした瞳が印象的で、実年齢よりもずっと若く見えた。30代だといっても通用する容姿だ。

しかし、これまでの婚活は不発に終わっていた。「1年くらい前までは大手相談所に入っていました。70人くらいとお見合いをしたけれど、ピンとくる人がいなかった」。

お見合いを繰り返しても、「この人と結婚したい」と思える男性は現れない。そんなときに、友達に誘われて訪れた婚活のできるワインバーで、小川康夫(仮名)と出会った。決してイケメンではなかったが、とにかく話が面白かった。

「相談所にいる40代後半、50代の男性って、人の目を見て話せなかったり、女性と話すことに慣れていなかったりする人が多いですよね。お見合いのときの会話も、『どんな関係の仕事ですか?』と質問をしてきて、こちらが答えると次の質問をしてくる。一問一答形式で、会話が膨らまない。そうかと思えば、自己紹介をダーッとしゃべって、その後は沈黙してしまう。そんな相手とばかりお見合いしていたから、久しぶりに男性と楽しい会話ができたのが新鮮で楽しかったんです」

康夫は、44歳だという。仁美が実年齢を言うと、目を丸くして驚いた。

「えーっ、45なの? 全然見えないね。30代半ばかと思っていた」

2人の出会いは「運命」と繰り返された

意気投合した2人は、その場で連絡先を交換した。

「ワインバーは2時間制だったので、その日はそこで別れたんですが、帰りの電車の中で、彼から早速LINEが入ってきました。その夜は家に着いてからも12時近くまで、LINEのやり取りをしていました」

そのやり取りの中で、週末に食事デートをする約束をした。

「運命ってあるんだなあ」

食事デートの間じゅう、康夫は何度もこのせりふを口にした。2人が出会った婚活ワインバーの予約は、実は会社の後輩がしていたのだが、彼が急な出張で行けなくなってしまい、代わりに康夫が参加をしたのだという。

「本当に行ってよかったよ。仁美ちゃんに出会えたんだから」

康夫は、女性を喜ばせるような会話が本当に上手だった。「肌がきれいだね」「実年齢には見えない」「今日の服、似合ってるね」と、ことあるごとに仁美を褒めることを忘れない。仁美は、“女慣れしているな。けっこうな遊び人かも”と思いつつも、お見合いで出会う男性たちにはない“男の魅力”のようなものを感じていた。

食事を終えると、康夫は仁美を駅まで送ってくれた。

「今日は楽しかった。ありがとう」

康夫は、そういうと握手を求めてきた。そこに手を重ねると、ギュッと力強く引き寄せられ、軽く抱きしめられて耳元でささやかれた。

「また連絡するね」

ドキンとして、この瞬間に仁美の恋愛スイッチがオンになった。

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