「雨の日」こそ不調をリセットするのに最適だ 所要時間別、疲労を取り除くコツ

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ケア時間 2時間~
【家でのんびり】

雨の日は外出を控えて、家でのんびりと過ごしましょう。

「お休みなのにもったいないから、疲労回復も兼ねて近場の温泉に」というのはNGです。旅行はストレス解消において人気の方法ですが、気分転換になるだけで疲労回復の効果はありません。「楽しかったけど、ぐったり疲れた……」という経験、皆さんもあるはずです。

それならば、「積ん読」になっていた本を読んでみたり、DVDを見たりして、家で過ごしてみては? 雨には普段より集中力を高めやすい効果があるので、きっとその世界に入り込んで、楽しめるはずです。

●ケア時間 7~8時間
【深く眠る】

休みの日にしたいことの1位が、睡眠という方も多いかもしれません。実際、睡眠にトラブルを抱える人は増えています。日本人の平均睡眠時間はとても短く、厚生労働省の平成26年「国民健康・栄養調査」を見ても、理想的な7時間以上の睡眠を確保できている人というのはごくわずか。男性では20〜40代を通じておおよそ80%の人が、女性でも20〜30代にかけて約74%の人が7時間未満の睡眠で過ごしています。40代男性においては、約11%の人が5時間未満です。

しかし、さまざまな統計によると、私たちがいちばんストレスを感じず、長生きできるのは7~8時間の睡眠を取っている人なのだそうです。それならば、せめて雨の日だけでも、ゆっくり眠る時間を確保してみてはいかがでしょうか。

雨の日の朝、いつもより起きるのがおっくう、ということがあるはずです。実際、雨の日というのは普段よりも深く眠れるのです。お話ししてきたように雨の日は、本来交感神経にスイッチする朝になっても、副交感神経がONのまま。お休みモードが続くために、明け方まで深く眠れるというわけです。

雨がなぜ疲れを癒やしてくれるのか

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ところで、なぜ雨だと疲れが取れやすくなるのでしょうか。

その理由は、「自律神経」の働きが、晴れの日と雨の日では違うからです。

普段自律神経は、活動が始まる朝はアクセルモードの「交感神経」に、夕方から夜にかけては体を休めるためにブレーキモードの「副交感神経」に変わります。しかし雨の日は、朝からブレーキモードの「副交感神経」になるのです。副交感神経が優位になると、体のエネルギーは体内の「細胞の修復と再生」に使われます。ですから、ゆったりと過ごすことができれば、疲労回復に大きな効果があるのです。

雨の休日をこんな風に過ごすことができたら、平日の疲れもずいぶんと変わるはずです。つい「雨か。いやだなー」と思ってしまうものですが、雨を味方につけると晴れの日をもっと元気に過ごすことができるようになります。

雨の日はゴロゴロ過ごすのがいちばん。堂々とダラダラした一日を満喫してください。

(構成:黒坂真由子)

美野田 啓ニ BTU(バランスセラピーUniv.)代表

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みのだ けいじ / Keiji Minoda

ストレスケア・カウンセラーの教育機関であるBTU(バランスセラピーUniv.)代表。福岡を中心に東京などに25校を開校。現在、5000人を超える履修生が全国で活動中。身体からアプローチするカウンセリング手法は、教育、医療・福祉機関、公共団体、震災被災地、生保、損保、IT企業など多岐にわたる団体で導入されている。静岡県健康福祉部・浜松先端医療技術センターとの脳内動態の共同研究、東京大学大学院・東北大学大学院における少年院入院者のリラクセーション効果の研究など、国内各地の大学・研究所との共同研究にも積極的。日本行動医学会荒記記念賞受賞。日本認知・行動療法学会、日本心身医学会所属。 主な著作に、『脳が若返る歩き方』(KADOKAWA)、『脳の疲れをとるストレッチ』(扶桑社)などがある。

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