「送料有料」で成功した三重のスーパーの秘密 60歳以上の利用者には安否確認電話も!
「子育て世帯の多くはネットからの注文ですが、パソコンを使わない高齢者の場合、電話注文がほとんど。特売の商品を出す火曜日は特に電話注文だけで1日500件に及ぶこともあります」
配布しているチラシや季刊のカタログを見て、欲しい商品の番号を正しく伝える─そんな形式的な注文をする高齢者は多くない。「30分話し込むこともあるんですよ!」と、オペレーターの女性は笑う。「緑色の丸い容器に入った、あの……」などと商品の形状や色を曖昧に伝えられても、希望の商品を割り出すまで根気強く対応するためだ。
会費を払ってでも利用したいと思わせる
『スーパーサンシ』の宅配サービスは月額使い放題516円(以下、すべて金額は税込み)の会費制。単発で利用する場合は104円で、購入金額が1544円未満なら別途84円の配達サービス料がかかる。その他、冷凍食品を注文すれば、ドライアイス代104円。2階以上の家への配達には155円の利用料をとる。細かい料金設定にして、基本会費を少しでも安く抑えている。
“送料無料”と謳わず、かかる配送コストはきちんと取る。それでも、会員数が毎年1000世帯ペースで増える理由は「会費を払ってでも利用したいと思わせる、きめこまかなサービスを徹底しているため」と山田さん。店舗で値引きしたら、宅配商品も値引きし、損をしない配慮も忘れない。