「送料有料」で成功した三重のスーパーの秘密 60歳以上の利用者には安否確認電話も!

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「現在、会員は1万6000人で、うち7500人は電話注文なのでカタログを配布します。ひとりひとりよく購入する商品データを反映し、カスタマイズで作成するので、それぞれ掲載商品が微妙に違うんです」

60歳以上の利用者(現在1750人)には曜日と時間を決め、スーパーから「何かいるものはありますか?」と毎週、必ず電話を入れる安否確認も兼ねたサービスを実施。電話がつながらなければ、親族に連絡を入れることもある。

全世帯に鍵つき宅配ロッカーを提供

正午までに注文すれば、当日17時までに商品を受け取れる。そのスピード感も人気の秘訣。配達効率の高さはピカイチだ。

(左)利用者の宅配ロッカーに商品をお届け。(右)宅配ロッカーは鍵つきで安心。3箱収納可能

「午前中の注文を10時と12時締めの2便に区切り、一定数の注文分をまとめて店舗からピッキング。その後、個別に箱詰めします。常温と冷蔵、冷凍商品を3つのラインに分けてそれぞれ箱詰めし、最後にドライバーが担当エリアの世帯ごとにまとめてトラックに荷積みします」(山田さん)

1台のトラックが1回で20~25軒分を積み、1日3便ずつ配達。1台の稼働範囲は30分圏内に絞り込む。

驚いたのは、全世帯に鍵つき宅配ロッカーを提供していること。おかげで不在配達はゼロ。「宅配ロッカーの設置ができない」「エレベーターのない建物の3階以上に在住」などのケースは利用を断り、ドライバーの負担軽減と効率化に努めている。

ドライバー歴6年の山村和美さん(49)のトラックに同乗させてもらうと、新聞を配るようなスピードで1軒あたりの所要時間は2~3分。チャイムは鳴らさず外から「こんにちは! スーパーサンシです」と声をかけ、商品を宅配ロッカーに入れる。そのとき、空の宅配ロッカーに資源ゴミがあれば、回収するサービスまで素早くこなしている。

実に見事なハンドルさばきだが、数年前までは苦労することもあったという。

「ピッキングが遅れて、ドライバーの出発が遅れると大惨事。以前は、1日2便で回していましたが、荷積みのトラックが待ちぼうけ状態だった。16時30分に店舗を出発することもあってね。“17時までに届けなあかんのに~!”って泣きました(苦笑)。結局、配達が19時台にズレ込んで1軒ずつ謝りながら配達に回りました」(山村さん)

次ページ全員でクレームに目を通して地道に改善
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