池上彰・佐藤優は、「読む本」をどう選ぶのか 2人の「知の源泉」を一挙公開、その秘訣は?

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佐藤:池上さんは、「ニュースで気になるキーワード」や「知りたいテーマ」に出合ったら、すぐに書店に足を運ぶそうですね。

書店の棚は知識の宝庫!

【本の選び方1】とにかく足しげく書店に通う
池上 彰(いけがみ あきら)/ジャーナリスト。1950年、長野県生まれ。NHKで記者やキャスターを歴任後、2005年よりフリージャーナリストとして多方面で活躍中。現在、東京工業大学特命教授。名城大学教授(撮影:今井康一)

池上:はい。これは長年の習慣です。自宅の最寄り駅の近くにある大手チェーンの書店、大学までの乗り換え駅にある大型書店や駅構内の書店、東京駅で乗り換えるときには近くの大型書店にも顔を出します。いまでも、ほぼ毎日、どこかの書店には足を運んでいますね。

佐藤:私も自宅近くの書店にはよく足を運びますし、気に入っている大型書店もいくつかあります。

池上:毎日のように通っていると、「あのテーマについて知りたければ、あの書店の、あのコーナーに行けばいい」というのがわかるようになります。また、新刊が出ればすぐに気づくなど、「売り場の変化」にも敏感になります。本を探している読者に声をかけられたりすると、「この本がいいですよ」と、ついおせっかいを焼いてしまうこともあります。

佐藤:それは池上さんらしいエピソードですね。

【本の選び方2】知りたいテーマがあれば、書店のコーナーで関連書を見る

佐藤:書店では、池上さんはどうやって本を探していますか?

池上:たとえば「行動経済学」について知りたいと思ったら、まず書店でその本を扱うコーナーに行きます。平台だけでなく、棚も見て、並んでいる本の書名や帯のコピーを見ていきます。

佐藤:実際に書店で本を眺めると、「俯瞰(ふかん)性の高さ」が非常にいいですよね。

池上:そうなんです。行動経済学の本ならば、「経済活動をするときに人間はなぜ失敗を繰り返すのか」「なぜ不合理なことをやってしまうのか」などと帯のコピーに書いてあったりします。関連書籍のタイトルや帯コピーを見るだけで、「知りたい分野」についてのイメージを、まずは大ざっぱにつかむことができるんです。書店にあまり行かない人には、まずは定期的にお店に足を運んでみてほしいですね。

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