池上彰・佐藤優は、「読む本」をどう選ぶのか 2人の「知の源泉」を一挙公開、その秘訣は?
新聞・雑誌では「基礎知識」は得られない
佐藤:私も池上さんも、世の中を知るツールとしては「新聞」と「雑誌」をフルに活用しています。でも、いくら「新聞」「雑誌」を熱心に読んでも、土台となる基礎知識が抜けていると、自分の頭でニュースや記事を深く理解することができませんよね。
池上:そうなんです。たとえば、中東情勢が不安定になったときに、そうしたニュースを正確に理解するには、その地域の時代背景、つまり歴史の知識はどうしても必要になります。
佐藤:「書籍」が新聞や雑誌と決定的に違うのは、書籍にはひとつのテーマに関してまとまった知識が盛り込まれていることです。世の中で起こっていることを「知る」には新聞がベースになりますが、世の中を「理解する」ためには書籍がベースになるわけですね。
池上:新しい分野について勉強するときには、私だっていまでも机に向かって一生懸命、本を読んでいます。基本書をしっかり読んで、基礎知識を身に付けておくと、あとあと理解が早いですから。
佐藤:ただし、なかには間違った内容や偏った見解で書かれている本もあり、「読む本」は選ばなければならないのも事実です。では、どうやって「読む本」を選べばいいのか。私たちの方法を紹介しましょう。