精子は思わぬところでダメージを受けている。男性不妊の専門医のアドバイスや、国内外の研究結果を基に、あなたの精子を守るための、10カ条を紹介する。
長風呂、サウナにリスクあり
喫煙が生殖機能に及ぼすマイナスの影響については、これまでに多くの報告がなされている。喫煙は勃起不全(ED)の原因となる。さらに、精子形成にも異常を及ぼし、精子の運動性を低下させたり、異常な形態をした精子の出現頻度を高める傾向がある。運動性の低い精子や異常な形態の精子は受精能力が低いため、男性不妊の原因になる。また、受精に成功したとしても、流産や先天性疾患に関するリスクの上昇が懸念される。
英マンチェスター大学と英シェフィールド大学の共同調査によると、ボクサーパンツなどタイトな下着をはいている男性の精子数は、そうでない男性より少なかった。ブリーフでは体温がこもり精巣の温度が上昇しやすい。温度上昇を避けるには、通気性のよいトランクスがお薦め。
二日酔いになるような過度な飲酒は、精子形成にマイナスの影響をもたらす可能性があるので、避けたほうがよい。適量の飲酒であれば問題はない。
精巣付近の温度が高いと精巣の機能が衰えてしまうので、あまり長く風呂につかりすぎないほうがいい。高温のサウナも精巣を熱にさらすことになってしまう。熱くなったサウナのいすに座ると精巣の温度がますます上昇してしまうので、要注意。
サドル先端部分による会陰(えいん)部の圧迫、肌に密着したトレーニングウエアによる体温上昇などが、生殖機能へ影響を及ぼす可能性が指摘されている。自転車がEDを招くリスクを報告する研究も多い(詳細は122ページ参照)。自転車やバイクに乗りすぎるのは避けたほうがいいだろう。
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