44歳独身美人キャリア女性が悩む「一生の家」 「賃貸」or「購入」、人生が安心なのはどっちだ

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岩城:金利を0.625%とすると、ボーナス時40万円、月の返済額は13万2978円ですね。

咲子:今の家賃と変わらないじゃないですか!! やっぱり変動金利は安いですね! 友達に聞いたら、変動で借りているっていう人も多かったです。

岩城:確かに、一般的に、変動型の金利は、固定型の金利より低いですが、将来金利が上昇するというリスクがあります。今より返済額が増えても大丈夫ですか?

咲子:どのくらい上がるのですか?

岩城:変動型は、金利が上昇してもすぐに返済額が上がるわけではありません。多くの銀行が、金利変更から5年間は返済額が変わらない「5年ルール」と、もし、金利が大幅に上昇しても、前回の返済額の1.25倍を上限とする「125%ルール」を設けているからです(注:適用しない銀行もあります)。

咲子:じゃあ、上がったとしても、マックスで月16万6000円くらい? よさげじゃないですか。

岩城:これは、あくまで、返済額の増加した分を先送りにしているだけですからね。返済期間が終わっても、完済できていない分は、一括で返さなくてはならないのですよ。

咲子:一括ですか! 退職金は老後の大事な資金だし、それは困ります。わかりました。金利が上がったら固定に変えます。

岩城:一般的には、変動金利より先に固定金利が上がりますので、そううまくはいかないと思いますよ。将来、固定金利は、今よりずっと高いかもしれませんしね。固定型で、20年間、たとえば1.15%で借り入れる場合と、試算の変動型の金利の差は、0.525%ですね。これで、将来の金利上昇リスクを回避できるとしたら、20年間、返済額が変わらないほうが安心ではないですか?

咲子:いつ上がるかという心配をするよりはいいですね。でも、そうなるとやっぱり、上限3000万円か……。もし、借入期間を長くするとすれば、毎月の返済額も下がりますよね。4000万円借り入れて、30年ローンにしたらどうですか?

「家の購入」=「人生の安心を手に入れる」ではない

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岩城:期間を長くすると、確かに毎月の返済額は下がります。でも、金利も高くなりますし、総返済額も多くなります。返済期間を延ばしてその分、借入金額を大きくするなんてお勧めできません。

そもそも、退職後、ローンが払えるでしょうか。持ち家を持ったときのメリットを考慮して考えると、リタイアメント後の生活費は月約32万8000円です。その中から約14万円のローンが支払えますか?

咲子:使えるおカネは月19万円弱に減るわけですか。物価も上がっているかもしれないし、なかなか厳しそうですね。

岩城:咲子さん、家を買うことは、人生の安心を手に入れることだとお考えのようですが、不動産購入も、言ってみれば「自分が店子である不動産投資」に他なりません。将来、ご結婚されることだってありえます。そうなると、ご主人の転勤や子どもの進学などで住み続けるのが難しくなるかもしれません。かくいう私も、そういう理由で、30年ローンで買った家に、実は、わずか7年しか住んでいないのです。このように、持ち家にだって空室リスクがありますよ。

多額のローンを組んで、経済的に大変な思いをするより、賃貸暮らしの自由度が、人生に安心をもたらすこともあります。十分に歳をとった時、安心に暮らせる施設に住むことだって選択できますしね。今後、急激な人口減が、住宅価格に影響することも考えられるでしょうし、くれぐれも、住宅購入は慎重に考えてください。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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