ハンガリーでの(中央ヨーロッパ大学=CEU閉鎖への)抗議デモは私にとって驚きだったのと同様に、オルバン・ビクトル首相にとっても驚きだったことだろう。オルバン首相は自分の政策を、私との個人的な対立だと位置づけようとし、私を彼の政府の宣伝活動の標的にしようとしている。彼は自身をハンガリー主権の擁護者としてキャスティングし、私には、漠然とした、しかし悪意ある陰謀の一部として欧州を違法移民であふれかえさせようと、彼のカネを使う為替投機家としての役を振り当てた。
しかし事実は、私がCEUの創立者であり、その大学が創設から26年後には社会科学の複数の分野で世界のトップ50の大学にランクインするようになったということだ。またCEUに基金を寄付することで、ハンガリー政府あるいは、創設者を含む外部の干渉から学問的自由を守ることができた。
民主主義は外部から強要できない
この経験から私は2つのことを学んだ。まずオープンな社会を守るには、法の支配に頼るのは不十分だということだ。自らの信念のために立ち上がる必要がある。CEUの生徒はそれを実行している。彼らの運命は不安定な状態にある。しかし、学問的自由に対する彼らの断固とした防御と結社の自由が、欧州の緩慢な正義の輪を徐々に動かしていくであろうと確信している。
民主主義は外部から強要できないものであり、国民自身によって達成され守られる必要があるということも学んだ。マフィア国家元首のオルバンが確立した欺瞞と腐敗に対し、ハンガリー人が抵抗した勇敢なやり方に感嘆している。
また、ポーランドとハンガリーから生まれたチャレンジに対する欧州機関からの活発な反応にも励まされる。前へと続く道は冒険的だが、そういった闘いの中で、EUが復活する可能性をはっきりと見いだすことができる。
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