快進撃!「auスマートパス」の“仕掛け" KDDIの有料スマホサービス、700万会員を突破

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しげた・こうへい●1999年入社後、主に新規サービス開発を担当。新規事業を統括する髙橋誠専務とともにスマートパスをゼロから構想して立ち上げた。昨年10月にはKDDI史上最年少の37歳(当時)で部長職に就任している。

――アップル製品向けのサービスを5月に有料化しました。半年間以上、無料で提供してきた割に、退会が少なかったようですが。

こちらは予想をかなり上回り、9割以上のユーザーに残って頂きました。確かに、iPhoneなどで使えるWebベースのコンテンツは充実させてきましたが、まだ発展途上です。結局は、スマートパスに入っておけば多くのコンテンツを試せて、色々な事ができるという点が評価されたのだと思います。

スマートパスはアプリだけでなく、スマホにおけるスターターキットという位置付けでサービスを広げてきました。アンドロイド端末向けでは、スマホ向けのセキュリティソフトや節電アプリなどがあり、これを目当てに加入されているユーザーの方も多くいます。

これまでも、ユーザーに対して何ができるのかということを考え、ずっとヒアリングを続けてきました。その中で、iPhoneのユーザーが不安な点として挙げていたのが「壊れた時にどうすればいいのか」ということでした。こうした不安を解消しようと始めたのが、iPhoneやiPadのアップル製品が故障した場合、修理代金を負担するサービスです。本当にそこまで必要なのか、といった議論はありましたが、ユーザーの満足度を上げるためにも、しっかり踏み込んでやろうと考えました。

「ジブリの森」はユーザーに“刺さった”

また、エンタメ分野では、会員限定のコンテンツ「ジブリの森」を始めました。スタジオジブリさんとは、長い間、映画でもかかわらせて頂いています。その作品の価値を伝え続けてきた中で、たどり着いたコンテンツです。他社にはないもので、エンタメの中でもユーザーにいちばん“刺さった”コンテンツだと思います。一時期ですが、退会ページでジブリを紹介すると、それまでより退会する率が落ちるほどでした。

スマートパスにあるアプリやコンテンツで遊んでいただき、もっとスマホを楽しんでもらえるようにする。オープンインターネットの世界に出る前に、浅瀬のような場所で遊べる仕組みを作る。こうした当初の考え方は基本的に変わっていません。リテラシーの高いユーザー向けのサービスになってしまうと、会員数も伸びなくなってしまうと思います。

――6月以降、さまざまな情報が流れてくる「タイムライン」機能が追加されましたが、どんな狙いが?

会員数が500万、600万と増えてくると、アプリの取り放題だけでなく、さらに満足度を上げなければ次のステージに移れないと思いました。

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