宝島社が“反オンライン"を貫くワケ

オンラインに出て行く理由がない

中途が9割以上。同業者は採用しない

ここで、宝島社のユニークさを人材・人事面から解説しよう。

ひとつ目は、中途採用主義。約200人の社員(女性が6割)のうち、9割以上が中途採用となっている。今年は新卒採用を行ったが、これは7年ぶりのことだ。

2つ目は、異業種からの採用。中途採用社の出身業界は、商社、銀行、メーカー、はては学校の先生まで、バラエティに富んでいる。出版界の固定観念に染まっていない人材を意図的に選んでいるのだ。

たとえば、男性ファッション雑誌『smart(スマート)』の太田智之編集長は大和ハウスの営業マン出身、『リンネル』の西山千香子編集長はJRA(日本中央競馬会)出身、10代女性向けファッション誌『CUTiE(キューティ)』の山下純子編集長はスペースシャワーTV出身、といった具合だ。

3つ目は、実力主義の人事システム。日本の多くの出版社は、労働組合が強く、年功序列、平等主義のカルチャーが強い。それに対し宝島社では、個々の編集者の売り上げが厳しく管理され、実績に応じて賞与は大きく変動する。

編集者は毎年、年間の売り上げ目標を立て、「何月にこの企画を実施する」といった年間計画を決めていく。そのため、思いつきで企画を上げることはまずない。編集長は、企業でいう事業部長のような存在で、収支管理の責任も負う。コンテンツ面の才覚はもちろん、ビジネス面のスキルも求められるわけだ。どんぶり勘定のメディア企業が多い中で、こうしたシステムは珍しい。

また、正社員、契約社員、半契約社員、アルバイトなど、多様な雇用形態があり、アルバイトなどから正社員に登用されるケースもある。

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