フランス人の結婚は「ロマンのかけら」もない 参列者の前で「財産分与法」すら読み上げる!
さつきの風が吹き過ぎればみなづき。ジューンブライド(6月の花嫁)のシーズンがやってきました。最近は地味婚や、入籍のみの “ナシ婚”カップルも多いようですが、強い信念に基づいたチョイスならともかく「どうしようかな」と迷われていらっしゃるのなら、「やっちゃえ、ブライダル!」でしょう。
女として生まれたからには、「生涯でもっとも美しい瞬間を経験しないなんてとんでもない」という気概は持っていたいものです。
フランスに「ジューンブライド」ジンクスはない
ジューンブライド(June Bride)という言葉はフランスで聞きません。6月に結婚すると幸せになるという言い伝えもありません。いったい6月に結婚したら幸せになれるなんて話は、何に由来するのでしょう。
ちょっと調べてみると、ヨーロッパ起源説がまことしやかに流布されています。結婚を司るローマ神話のユーノが6月の守護神であるから、農繁期の3~5月の結婚は禁じられており、解禁される6月に集中したとか……。
しかしながら、ローマ帝国はキリスト教を国教化して、ヨーロッパはローマ教皇下の神権体制を経験しています。今でもフランスはカソリック(カトリック)の国ですから、ギリシャ・ローマの神々がヨーロッパの人々の生活に影響を与えるというのは考えにくい話です。
とはいえ、フランスでは実際6月や7月に結婚式が(こと土曜日に)多く行われます。梅雨のないフランスではいい季節であることに加え、パートナーたちが長い夏のヴァカンスを前にして「本格的にガンバルか」と決意するからでしょうか。それともこの時期に結婚すると所得税の率が低くなるから、という合理的な理由からでしょうか。
なお、結婚自体も非常に合理的に行われます。フランスでは、事前に結婚を公知のものとする義務があり、その結婚に異議のある者は申し立てを行うことができます。とても極秘婚などはできません。
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