中国のキャリアウーマンは、つらいよ 中国人エリート女性のホンネ鼎談(上)

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プライベートがなくて、ノイローゼになりそう

――こういう尽くし系の男性って、中国では多い?

劉陽:いないわけではないけれど、私の周りでは少ないかも。

陳雪:彼はロマンチストでいいわねえ。私の夫なんて、「たまには花くらい買ってきてよ」と言っても、「アイスクリームのほうがいいだろう」って、そういう人よ。ロマンチックなことなんてまずゼロ、感情をあまり顔に出さないの。

――さきほど、子育てが大変だという話がありましたが、陳雪さんは社長をしながら、子供の面倒をどうやってみているんですか?

陳雪:義両親が同居しているので、もっぱら彼らが見ているわ。もちろん、私も仕事終わったら急いで家に帰って、子供と接するようにしているけれど、夫は仕事以外のことは一切しないし、子育てって本当に時間をとられるのよ。

――中国の都市部で暮らす夫婦は、子供ができると、自分の両親や義両親を故郷から呼んで、面倒をみてもらうことが多いですよね。でも義両親とではなかなか大変ではないですか?

陳雪:大変なんてもんじゃないわ! 生活習慣がまるで違うから、毎日、切れそうよ。彼らは一度使ったゴミ袋も絶対に捨てずにため込むし、洗剤はなくなりそうになると水を足して使いつくすまで新しいのを補充しない。うちの経済力ではそんなことまでする必要ないのに。

外出するときは、タクシーを使わず絶対にバス。しかもこの暑い中、孫をつれて クーラーのないバスに1時間も乗って出かけたりするのよ。一緒に出かければ、義母は昔、陸上選手だったとかで、ものすごく足が速いの。どんどん先に歩いていってしまって、私は追いつけない。おまけに子供の教育のことでは衝突しっぱなし。

――たとえば?

陳雪:義両親は子供たちにとにかく何でも習わせたがる。上の子なんてピアノ、絵画、スケートにテコンドー。アメリカでこんなに山ほど習い事している子供なんていないわ。もう本当に苦痛よ。

――旦那さんはなんて?

陳雪:夫は中国で生まれ育って、ずばぬけた成績でアメリカに渡った人だから、中国の詰め込み式教育を非常によいと思っているの。だから子供もインターナショナルスクールではなく、ローカルの進学校に通わせるという方針。でもそれでは子供は毎日ものすごい量の勉強を強いられ、へとへとになってしまう。

加えて私自身、プライベートが全然なくて、ノイローゼになりそう。時々、北京郊外の別荘地に引っ越したくなるわ。もっと広い部屋に住んで、思い切り空気を吸いたいって。

※ 続きはこちら:日本人の奥さんはCFO、中国人の奥さんはCEO

田中 奈美 ルポライター

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たなか なみ

東京都生まれ。2003年より北京に留学。中国の社会生活やビジネスに関するルポを各紙誌に発表。著書に『北京陳情村』(第15回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作)『中国で儲ける―大陸で稼ぐ日本人起業家たちに学べ』(新潮社)がある

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