中国のキャリアウーマンは、つらいよ 中国人エリート女性のホンネ鼎談(上)

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産休はわずか28日

陳雪:もっとも最近は人件費もあがって大変よ。一昨年、店の改装工事をしたとき、作業員1人当たり1日300元で雇えたのに、それが今年は500元よ。

劉陽:私も以前、1500元で雇えた編集スタッフが今では3500元。それでもすぐ辞めてしまう。

魯悦:特に90年代生まれはそう。責任感ないし。でも問題は人件費の高騰だけじゃなくて、社会制度にもあるわ。海外では人件費は高いけれど、社会は制度化、管理化されている。中国はそうではないし、税金だってすごく高い。

劉陽:しかも、私たちの血税がどこに使われているかわからない。

――それが結婚生活にどんな影響を?

劉陽:最終的に家庭でより大きなプレッシャーを抱えるのは女性のほうだってことよ。なぜならたいていの場合、家庭のことは女性がマネジメントすることになるから。私たちは会社でも家庭でもマネジメント。しかも男性なら、サッカーの試合を見に行ったり、飲みに行ったりできるけれど、女性は子供がいたらそれも難しい。

陳雪:私は上の子を生んだときは、まだ会社も今ほど忙しくなかったので、半年くらい休んだわ。でも下の子を生んだときは、出産予定日の前日まで働いていた。

全員:え~~~!!!

陳雪:産休だって28日だけ。会社に戻れば出張続きで、出張のたびに搾乳器持っていて、毎日、搾乳して、頭おかしくなりそうだった。だから4カ月で断乳したの。仕事か子育てか選べと言われたら、仕事を選ぶしかない。会社には100人以上の社員がいて、私は彼らの生活を保証しなきゃいけないのだから。これはとても残酷な現実よ。

しかも事業主になったら金を稼ぐだけでは終わらないでしょう。最初のうちは利益を出すことだけ考えていればいいけれど、ある程度の規模になったら、会社の社会的地位、市場での競争力、ブランド力、そんなものもまとめて考えてゆかなくてはならない。毎日、くたくたよ。

魯悦:私もこれまでずっと強くなくちゃいけないと思ってやってきたわ。でも30歳をすぎたあたりから、ものすごく疲れてしまった。そんなときに、今の夫に会ったのよ。

30歳も半ばをすぎると、正直、20代のころのようなときめきはないわ。愛しているかといえば愛しているけれど、全てをなげうっても大好きかというとそこまでではない。でも、彼は私をとても理解してくれて、よくしてくれる。36歳でそんな人に出会えるなんて、私はとてもラッキーだった。

彼は本当に我慢強い人で、映画をみようと約束していた日、デート直前に仕事が入ってしまった時には5時間くらい待っていてくれて、それからドライブインシアターに映画を見に行ったの。それなのに私って、何か1つのことにしか集中できないから、映画を見るとなったら映画だけ。おしゃべりはいっさいなし。映画を見終わったら真夜中になっていて、彼はもう少し話がしたいからと、環状線をぐるぐる2周くらい回ってドライブしたわ。

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