「エロ対決」セクハラ、被害女性が怒りの告発 会社の和を乱す存在として雇い止めに
――訴訟を起こした今、どんな気持ちですか。
2013年末にセクハラを受けて以来、ずっとずっと抱え込んでいました。「2014年6月から名目上の上司になる」とほのめかされて、拒絶したら仕事を失うのではないかと考えてしまいました。大人なのできちんと話せばわかると思ったし、穏便にやり過ごすし、誰にも言わないからと話し合いを何度も持ちましたが、納得してくれませんでした。
ついにはFacebookの友達登録を切り、社内でも個人的なやり取りを断り、うまくいったと思ったところ、ひどい書き込みが連日続いて、報復されていると感じました。そして相手を怖いと感じてしまった。本当は団体交渉の場で解決したかったけれど無理だったし、私の存在や名誉を毀損されたことへの怒りがおさまらなかった。
会社を被告にしたのは、セクハラそのもの以上に、相談しても取り合ってもらえず、会社の和を乱す存在として雇い止めにされたことが許せなかったからです。
私はX氏の暴走を止めるのは上司の役目だと思っていたのに、私のほうが「他人のFacebookを見ている方がおかしい」「このことは誰にも言うな」と言われてしまった。このような会社のあり方が一番おかしいと思います。
通院と、投薬治療の日々のなか
――現在の体調と生活は。
心療内科や消化器科などに定期的に通院して投薬治療を受けています。ただ、未だに完治の兆しはありません。
現在は通訳のアルバイトをしながら暮らしています。提訴してよかったと思うのは、私1人では立ち向かうことができない相手に立ち向かえたこと。そしてこれまでは友人に「私はこんな目に遭って辛い」と訴えてしまうばかりで、友人との距離もできてしまいました。中には「毅然と対処しなかったあなたが悪い」「会社を訴えるなんておかしい」と言い出す友人もいて、理解されない孤独を深めてしまっていた。
しかしもう1人で苦しまなくてもいいと思えることで、肩の荷が下りた気がします。また組合宛に「応援している」「私もひどい目にあったのでぜひ頑張って」という応援のメッセージもすでに何通か来ていることが励みです。