「エロ対決」セクハラ、被害女性が怒りの告発 会社の和を乱す存在として雇い止めに

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Aさんは、2013年3月に新日鉄住金ソリューションズの派遣社員となり、14年6月からは契約社員になった。仕事上での接点がないX氏からの視線を感じるようになったのは、2013年8月のことだった。この年の忘年会後には、FacebookのメッセンジャーでX氏から、以下のようなメッセージが届くようになった。

「恋は始まってるね!←こういうのを言っちゃうのが中二病」(2013年12月29日)

「(Aさんに)帰りたくないのって言われたら抱きしめたいし、キスぐらいはしたいけどなー」(2013年12月30日)

「今度エロ勝負しましょう」(2013年12月30日)

ことを荒立てたくなかったAさんは「無理」などと茶化して明るく振る舞ったものの、X氏に恋愛感情はなく彼が既婚者だったことから「メッセンジャーは止めましょう」と切り出した。

しかし何度話しても理解してもらえないのでFacebookの友達登録を解消したいと申し出て、つながり解消に成功した。するとX氏は「周りからはクソビッチと呼ばれているし」「面倒くさい女」など、Aさんと思える人物への罵倒とも思われる内容の投稿を始めた。

ドクターストップで休職 ⇒ 雇い止めを通告

X氏の書き込みには、Aさんの名前はない。しかし自分への攻撃と受け取ったAさんはその後、体重減少や不眠などに悩まされるようになる。

2014年5月、彼女は社内のセクハラ窓口と部長のY氏に相談したが、「これはAさんではない」とX氏が言ったことから、Y部長はそれ以上追求しなかった。

それどころかAさんに深夜に及ぶ時間外業務を与えたり、X氏と直接接点ができるように配置転換をおこなった。さらには時間外業務の賃金の支払いもなかったとAさんは語る。

上記に加えて咳や大量の鼻水が止まらなくなった彼女は、ドクターストップにより2015年1月より会社を休職する。すると会社は同年5月末に、何の具体的な理由も提示しないまま「当該契約に基づく労務の提供を期待することができないと判断せざるを得ない」と、一方的に雇い止めを通告してきた。

次ページ会社側は、「きちんと調査した」と告げるのみ
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