パントマイム歴40年の男が説く「やりきる力」 情熱はすべてを動かす原動力になる

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独自のパントマイム芸はどのようにして生まれたのか
「感じる心が山もり!」の想いを込めて名付けられたパントマイム集団「カンジヤマ・マイム」。主宰するのはマイム歴40年の藤倉健雄(カンジヤマ・マイムA)さん。「無口で、白塗りの大道芸」という従来の常識を破り、観客を積極的に引き込む“おしゃべりな”パントマイム芸は、多くの人々の心を掴んできました。故永六輔氏をはじめ、数々の著名人からも愛されてきた独自のパントマイム芸。その世界観はどのようにして生まれ、磨かれていったのか。「すべては感動からはじまった」と語る藤倉さんのインタビュー。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けします。

カンジヤマ・マイムの「おしゃべり」の秘密

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

――心を掴む、「おしゃべりなパントマイム」が好評です。

藤倉健雄氏(以下藤倉氏): カンジヤマ・マイムは、現在ぼくAのほか、B、Cと3人のメンバーで、全国各地の学校、文化会館、病院、その他養護施設などさまざまな場所に呼ばれてパントマイム公演を行っています。少ない月で7〜8本、多い月でほぼ毎日、どこかに出かけています。

長らく、パントマイムとは、「無口、白塗り、大道芸」というイメージが定着し、どこか普段の自分たちとは「違う」世界と思われがちでした(もちろんそうした世界観も魅力のひとつなのですが)。しかし、パントマイム芸能の幅広さ、面白さをもっと多くの人に知ってもらいたい、身近に感じてもらいたいと、ぼくたちは沈黙を破り、舞台の上でしゃべりはじめました。

パントマイムに必要なのは、「自分の内なる独自性」を発見し、表現することです。ぼくたちはつい、自分に足りないもの、欠けているものに目がいきがちですが、すでに身体という素晴らしいものを持っています。足りないものは何もない。ただ自分が持っているはずの宝、身体と想像力による独自の可能性を掘り出しさえすればいいんです。マイムという「鏡」に映った、自分の内なる可能性を掘り起こし、そうして生まれる自己表現を、自分の好きな分野に利用することができるところに、パントマイムを演じる魅力はあります。

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