
父と子の物語が歴代5位の異色ヒット
思春期を迎えた子どもを持つ親は、自分の子どもが被害者にも加害者にもなり得るという不安を抱えているのかもしれません。そんな親たちの胸に突き刺さるドラマがNetflix リミテッドシリーズ「アドレセンス」です。今年3月に配信が開始されると世界中で反響を呼び、視聴回数はNetflix歴代5位に浮上しています。「イカゲーム」や「ストレンジャー・シングス」など独特の世界観を描く超人気作が並ぶなかで異色のヒット作とも言われています。
全4話の筋立ては極めてシンプルなもの。13才の少年ジェイミーが同じ学校に通う少女の殺害容疑で逮捕されたことで、家族の人生が崩壊していく様子を描いています。事件の真相を追う過程はあるものの、犯罪ドラマの枠に収まった物語ではありません。見進めていくと、少年とその父親の話であることに気づかされます。父と子の関係性を見つめた普遍的なテーマを扱っているのです。

イギリス地方都市の家と学校、警察署という現実的な舞台で、演技力で勝負する作品でもあります。何よりも驚かされるのが、オーディションで選ばれたジェイミー役を演じるオーウェン・クーパーは本作が初演技ということ。そうとは到底思えないほど感情の変化を使い分けた芝居で魅せます。父親役で主演のスティーブン・グラハムはいわゆるバイプレーヤー俳優としてキャリアを積んできましたが、今回このドラマの共同クリエイターを務めています。ほか、主任刑事役のアシュリー・ウォルターズ、臨床心理士役のエリン・ドハーティなどイギリスの名優を揃えています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら