宮崎県が生んだ柑橘「日向夏」誕生の秘密 ある民家にたまたま自生していた
日向夏の味わいを楽しむには、カットの方法を知っておかなければいけない。ほかの柑橘と違い、実の回りについている白い“ワタ”を一緒に食べるのが日向夏の美味しい食べ方だからだ。花田さんにお願いして実際に切ってもらった。
白い“ワタ”に日向夏の美味しさが詰まっている
まずは白いワタの部分を残すように外皮の黄色い皮部分をリンゴと同じ要領で剥く。剥いた実はそぎ切りにしていく。種の多い芯の部分は食べないそう。切り終わりを見てみると、白いワタの縁取りと中の黄色い実のコントラストがとても綺麗だ。
「黄色い実は酸味が強く、甘味のある白いワタの部分と一緒に食べるとちょうど良い美味しさになるんです。そのままでも美味しいですが、様々な調味料にも合うので、宮崎県民は醤油をつけて食べたり、サラダに使ったりすることもありますよ」と花田さん。
食べてみると、ワタの部分はたしかに甘く、黄色い実の酸味とジューシーさと相まってとてもバランスが良い。さらに香りも濃厚で、爽やかな余韻がいつまでも口の中に広がっていく感覚に。聞けば日向夏は柚子の遠縁にあたると言われているそうで、この香りの良さにも納得だ。
「年に何度かお客さんの前で日向夏の展示販売をするのですが、その時が一番楽しいですね。目の前で日向夏を食べているお客さんが“美味しい!”と言ってくれるのを見ると、励みになる。特に子どもだとうれしいね。子どもは味に正直だから」と笑う花田さん。
綾町の自然の恵みを受けて育った、太陽のような日向夏を一度食べに来てみてはいかがだろうか。
(Writer : ASAKO INOUE / Photographer : YUTA SUZUKI)
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