宮崎県が生んだ柑橘「日向夏」誕生の秘密 ある民家にたまたま自生していた
「日向夏」は、温暖な気候で数々のフルーツの名産地でもある宮崎県で生まれた柑橘だ。その始まりには、いまから約200年前にある民家で自生していたのを偶然発見されたというユニークなエピソードがある。
宮崎県の沿海部を中心に栽培されている日向夏だが、中西部に位置する綾町は町をあげて“有機栽培”に取り組む全国的にも有名な生産地。豊かな綾町の自然が育てる日向夏は、一体どんな味がするのだろうか。太陽の光をたっぷりと浴びて鮮やかな黄色に色づき、“旬”を迎えた綾町の日向夏を取材した。
30年以上前から有機栽培に取り組む綾町
宮崎県は年間を通して温暖な気候が特徴で、日照時間や快晴日数は国内トップレベルを誇る。そんな宮崎県で、30年以上も前から町をあげて“有機栽培”に取り組んでいるのが綾町だ。
綾町は昭和63年(1988年)に「自然生態系農業の推進に関する条例」を独自に制定し、農薬や化学肥料をできるだけ使わない有機農業を開始。以来ずっとそのスタイルを貫き続け、全国的にも有名な有機栽培のパイオニア的存在として知られている。
町の約80%が森林であり、名水百選にも選ばれる水源を有するなど自然豊かな環境にも恵まれた綾町の産物は、日向夏やマンゴー、きんかんなどの果物はもちろん、キュウリなどの野菜、牛、豚といった畜産物まで、「綾ブランド」として高い評価を受けている。宮崎県庁でみやざきブランド推進を担当している深田直彦さんが綾町の魅力を教えてくれた。
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