保険の「やめ時」を考えるのは、おカネを大事にしたいからだと思います。そうであれば、おカネを失いやすい手段の利用は、極力控えたほうが良いはずなのです。
筆者は日頃から「もともと、保険は入らないほど良いもの。もし、入るとしても必要最小限にとどめるべき」と発言しています。そのため、「何も入らなくて大丈夫なのか?」と尋ねられることもあります。
その際は「何があっても大丈夫、と言い切れる保障を持とうとすると、おカネがいくらあっても足りない。私たちは皆、健康保険に入っている。健保は、所得が低い人や高齢者の費用負担が軽減されるなど、民間の商品には難しい仕組み。無保険状態どころかいちばん良い保険に入っている」と返すことにしています。
どのような「反発」があるか
「言われてみればそのとおりだ」と納得する人がいる一方、反発されることもあります。主に次のような理由からです。
1.「病気になるリスクが高まる老後の保障がないのは不安」
2.「保険を解約した後、大病にかかるようなことになったらどうする?」
3.「貯蓄性がある保険の場合、元本割れしても解約するのか?」
お気持ちはわかるつもりです。営業マン時代の私も同じようなことを心配していたからです。しかし「願望」が思考を妨げていた気がします。
まず、老後の保障に関して言うと「リスクが高まるゆえに、保険の利用が向かない」ことになります。発生頻度が高い事態に手厚く備えると、保険料も高くつくからです。「老後も安心だと思いたい」という切実な願望があることと、願望にかなう方策があるかどうかは別の話なのです。
「保険料負担の大きさを問題視するなら、一生涯の保障がある保険に早めに加入し、現役の間に保険料を払い終わるといい」といった見方にも願望が反映されていると思います。
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