<抱腹絶倒のゴルファー編>
距離は長ければ長いほど良い
中国人は大きい物、高い物、長い物、速い物が大好きです。「小ぢんまりした物を愛でる」感覚はあまり持ち合わせていません。ゴルフ場に行ったら、老いも若きもみな青ティー(通常6500ヤード以上で、中級者以上向き)からプレーするのが当たり前。日本のように、技量に応じて白ティー(距離が短く初心者向き)を使うことはありえません。中国のお金持ちはパワフルです。スイングは自己流でも飛距離は結構出ます。長いコースで思いきり飛ばすのが彼らの考えるゴルフの醍醐味ですから、放っておくとフルバック(7000ヤード程度)からやろうとするので、思いとどまらせるのが大変です。
「マリガンルール」が当たり前
スタートホールの第1打、最初に打つドライバーショットは誰しも緊張するものです。ヘッドの下でこすった、いわゆる「チョロ」を打ったり、大きく曲げてOBゾーン(区域外、1打罰を加えて打ち直し)に行ったりするのはよく見る風景です。
けれども中国老板は友達思いですから、そんなときは「マリガン(Mulligan)」ルールを適用してくれます。これは、1番ホールに限ってティーショットを失敗した場合に無罰での打ち直しを認める非公式ルールで、アメリカではプライベートなラウンドでよく使われているそうです。日本では経験のなかった私は今でもこのやり方になじめず、友人たちが「マリガン」しても、自分はミスショットの打ち直しをせずにプレーしています。
自分が打ったらドンドン歩く
第1打は全員が打ち終わるまでおとなしく見ていますが、2打目以降はムチャクチャです。人がショットを打つ際には前方へ出て行ってはいけないのがマナーであり、第一、球に当たる危険が出てきます。しかし、中国人は大きな交差点で車がビュンビュン行きかう中を平気で信号無視で渡ってしまう勇敢な人たちです。球に当たることなど気にもかけずにどんどん前に進んでしまいます。
私は日本のゴルフに慣れていますから、万が一人に当ててしまってはまずいので、斜め前のまずほとんど当たらないポジションにいる人にも「看球(カンチウ)!」(打球に注意!)と声をかけるので、きっと「この日本人は神経質なやつだ」と思われていることと思います。中でも、特に退役軍人はマイペースで、人が打とうとするはるか前方にさっさと歩いていきます。砲弾飛び交う戦争を想定して毎日訓練してきた人たちですから、小さなゴルフボールなどまったく怖くないのだと思いますが、明らかにマナー違反です。
打ち込まれても平気な顔
日本人は危険に対して敏感ですし、またマナーに厳密ですから前の組や隣のホールにボールを打ち込まないよう細心の注意を払います。万が一ボールがほかのプレーヤーの近辺に飛んでしまった場合は駆けつけて帽子を取って謝ります。ところが何事にも大らかな中国人は、たとえばティーグラウンドでショットしている最中にどこからか打球が飛んで来ても、それほど怒りません。「当たったらどうするんだ!」と怒るのが日本式なら、「当たらなかったんだからいいじゃないか!」と受け流すのが中国流です。
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