親日都市マカオで見た、日本とコラボの可能性

異文化の交差点で見つけた、ブランドの現地化戦略

 日本の製品は、高い品質を誇りながら、中国マーケットにうまく食い込めていない。その最大の理由は、ブランド戦略の甘さにある。この連載では、北京電通に7年駐在し、グローバル企業のブランド戦略のコンサルティングを手掛ける著者が、中国人の心を掴むためのブランド創りを解説。教科書的なブランド論ではなく、ビジネスの現場で起きている事実をベースに、実践的なブランド戦略を発信する。

 

マカオ市政府主催のブランドセミナー

7月9日、マカオに行って1日計6時間半のブランドセミナーを実施しました。政府の「文化産業委員会」が主催した、デザインやクリエーティブビジネスにかかわる若い人向けの実戦的な勉強会です。マカオの成長戦略の柱は貿易で、特に、ポルトガル語圏8カ国(ブラジル、ポルトガル、アンゴラなど)の対中国貿易のハブの役割を担うことです。そしてもうひとつの柱が、文化とクリエーティブ産業の育成なのです。

かつて「東洋のモンテカルロ」と称されたマカオの主要産業はカジノと観光であり、そのイメージは消しがたくつきまとっています。事実、ラスベガスの5倍という世界最大のカジノ収入を誇るマカオは、中国大陸からやってくるギャンブラーたちで潤っています。2007年には、ラスベガス・サンズ社がコタイ地区に絢爛豪華なザ・ベネチアン・マカオ(The Venetian Macau、中国名は澳门威尼斯人度假村酒店)を開業しました。ホテル3000室、ショップ330店舗、レストラン30店、カジノにはスロットマシン3400台とゲームテーブル800台というすさまじい規模。設計・デザイン、運営もすばらしく、正面ホールのドーム状の天井壁画や、ベネチアの街並みを背景に川が流れゴンドラが行き交う屋内ショッピングモール街区など、目くるめく世界が広がっています。

マカオのもうひとつの顔は、その歴史と文化です。隣の香港がイギリスの支配下にあったのに対し、400年余にわたりポルトガルの植民地であったマカオには、ポルトガル建築や宣教師が伝えたキリスト教文化がよく残っており、有名な聖ポール天主堂跡をはじめとする22の建築と、セナド広場を含む8つの広場の計30の史跡が「マカオ歴史市街区」として世界文化遺産に指定されています。

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