親日都市マカオで見た、日本とコラボの可能性

異文化の交差点で見つけた、ブランドの現地化戦略

そんなマカオは意外と小さく、面積は約30平方キロメートルで人口58万人。現地の人々は広東語が母国で、中国語(普通話)と英語も上手に話します。また、ポルトガル語も公用語としての地位を保っています。カジノ、観光、リゾートホテル、MICE(会議、招待旅行、大会、展示会)などの主要産業により経済は好調で、1人当たりGDPは7万6588ドルと、北京市の1万3797ドルの6倍近くとなっています。2012年度には2800万人の観光客がマカオを訪れました。中国の春節(旧正月)には、人口の半分以上に相当する1日約30万人が国境を越えてやってきます。

1999年にポルトガルから返還されて以降、マカオは中国の特別行政区となりました。同時に、中国大陸との経済連携が進んでいます。今年7月には、北京市とマカオ市の共同・交流シンポジウムが行われ、北京の企業11社が計670万ドルの事業プロジェクトにサインしました。また現在、海を隔てて隣接する珠海市に自由貿易ゾーンを拡張予定だそうです。

マカオは親日的な自由貿易都市

今回、訪れてあらためて感じたのは、マカオの人々が日本に対して親近感を持ってくれていることです。隣の香港と同様に、中国やアジア進出の際の貴重なハブとなりうる存在なのです。特に政府間で安全保障上の問題を抱える国との経済連携やビジネス展開には、日本に対して敵対的なエリアや都市は避け、親日的な場所との連携を強めてそこをハブとして事業展開することが日本企業のリスク管理上、重要です。

親日の象徴のひとつがヤオハンデパートです。ヤオハンはグローバル展開の途上1997年に倒産しましたが、1992年にマカオに出した店はその後、現地資本に引き継がれ、「新八佰伴」ブランドで存続し、マカオ最大の百貨店として地元の皆さんに愛されています。日系デパートの名残はサービスのよさに感じられ、また、食料品売り場では日本の商品がたくさん扱われています。

縮れ麺と懐かしい味のインスタントラーメン「出前一丁」が、いまだに高級ラーメンとしてレストランで出されているのも香港と同じです。セミナーで「ゴキブリホイホイ」や「カップヌードル」の例を出すと、皆さん実物をよくご存じです。私はふだん北京で暮らしていますので、親日的な場所に行くと心からほっとします。

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