ここが変だよ!抱腹絶倒の「中国式ゴルフ」 「老板」との異文化間コミュニケーションを楽しむ

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 日本の製品は、高い品質を誇りながら、中国マーケットにうまく食い込めていない。その最大の理由は、ブランド戦略の甘さにある。この連載では、北京電通に7年駐在し、グローバル企業のブランド戦略のコンサルティングを手掛ける著者が、中国人の心を掴むためのブランド創りを解説。教科書的なブランド論ではなく、ビジネスの現場で起きている事実をベースに、実践的なブランド戦略を発信する。
ゴルフ人気が高まる中国。キャディーの需要も右肩上がりだが、そのクオリティは低い (写真:ロイター/アフロ)

ゴルフ仲間は中国人エグゼクティブ

最初に断っておきますが、今から書くことは私が北京に赴任した2006年以来、中国でゴルフ人口が富裕層から中間層へと拡大するいわば黎明期の混乱の産物であって、現状はかなり改善されています。そして、これらの事例はあくまで私の周辺の限られた範囲のいわゆる「老板(ラオバン)」(企業オーナーや組織トップの偉い人たち)ゴルファーたちの話で、決して平均的な中国人ゴルファーを描いたものではありません。

もうひとつ付け加えると、当初は中国の友人たちとラウンドするたびにあきれたり怒ったりしていた私もだいぶ慣れてしまい、むしろこんな大らかなゴルフがあってもいいかと思うようになってきました。

以下、キャディー編とゴルファー編の二つに分けて、抱腹絶倒の中国ゴルフを紹介しましょう。

<抱腹絶倒のキャディー編>

キャディーは家来

中国「老板」がラウンドするとき、キャディーは客1人に1人ずつ付きます。自分のホームコースだと、専属キャディーを決めている老板もいます。基本的に4人の客を1人のキャディーがお世話する日本式と、ここがまず違います。そしてキャディーは自分のご主人に尽くすことにより、終了時にチップをもらうことになります。一生懸命サービスした結果、客のスコアがよかった場合には、相場よりチップをはずんでもらえる可能性が出てきます。

キャディーは素人

ただし、キャディーのほとんどはゴルフ場周辺の農村出身の若者ですから、ゴルフをやったこともテレビでトーナメントを見たこともない人たちです。採用後に少々研修を受けた後すぐ仕事を始めるので、キャディーとしての技量はびっくりするほど未熟です。目標までの距離や攻略ルート、風向きなどのアドバイス、ボールの落下地点の確認、グリーン上のラインの読みなど、ことごとくいい加減です。

中国の最近のゴルフ場は著名設計家の手になるものが多く、池やバンカーなどのハザード、うねりのあるフェアウェー、長く伸ばしたラフ、段差のある広大なグリーンなど、ゴルファーを悩ませる要素が多いので、攻略法をキャディーと相談したいのですが、それはない物ねだりというものです。

たとえばラフからの第2打、前方の木が邪魔でグリーンが狙えない状況で、ウェッジでフェアウェーセンターに刻むしかないかと考えていると、長いクラブを何本か持ってきて「ピンまで200ヤード」と言ってきます。万事かみ合いません。

キャディーは互いに協力しない

キャディーは自分がついた客の専属だと思っていますから、ほかの客の面倒は見てくれません。林やブッシュに打ち込んで球が見つからない場合など、4人いるキャディーが協力してみんなで探せばよいのにと思いますが、助け合う発想はありません。

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