藤田観光は、なぜ「小涌園」を再開発するのか 創業地「箱根」から始まるリゾート事業の攻勢
藤田観光は企業の会議や国際的な学会など、MICE(Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibitionの略)需要に対応するため、宴会場の改修を進めているが、同社の瀬川章社長は「今後も婚礼の落ち込みは止められない。将来的には大阪や京都にホテルを開業し、(ホテル数を増やして)事業そのものを大きくして落ち込みを和らげるしかない」と語る。
藤田観光は「ホテルフジタ京都」(1970年~2011年)、「京都国際ホテル」(1961年~2014年)などの施設運営を終了してきた。
その後、フジタ京都の跡地は「ザ・リッツ・カールトン京都」になり、国際ホテルの跡地では三井不動産がホテルを建設中とされるなど、ライバルにお株を奪われたという手痛い経験がある。
2015年に公表した中期経営計画では、2014年に13億円だった経常利益を、2019年には48億円に増やすことを掲げている。
箱根の再開発が高級ホテル建設の原資に
同社が重視する減価償却負担前の営業利益(概念的にはEBITDAに近い)は同59.9億円から120億円まで倍増させる目算だ。
これはビジネスホテルや小涌園でキャッシュを稼ぎ、体力をつけたうえで、ラグジュアリー&バンケット事業のテコ入れに向けた次の開発を「自力で行う」(瀬川社長)決意の表れでもある。
果たして、藤田観光はラグジュアリー&バンケット事業を復活させることができるのか。開発を進めるためには、リゾート事業の旗艦である天悠、そして今後の箱根小涌園の再開発の成功が欠かせない。
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