職場女性の「心が読めない」男に欠けた視点 女性下着会社営業マンが学んだ「2つの目線」

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次はオトコ目線のロケット質問。女性から相談やアドバイスを求められたときのお作法です。女性へのアドバイスは、オンナ目線で共感示し感情で考えるべきと思われがちですが、実は女性には不評。むしろオトコ目線のアドバイスが喜ばれます。

女性下着営業時代も、はたらく女性のかていきょうしになってからも、女性からよく言われることがあります。

「あなたがオトコだから、オンナが聞く耳持つのよ」と。

女は女からのアドバイスを素直に聞けない

理由を聞くと、いつも同じ答えが帰ってきます。「オンナって成功した女性の言うことは素直に聞けないけど、男性の違う目線のアドバイスは「へえ、そんな考え方もあるんだ」って割と素直に聞けちゃう」と。自分と違うオトコ目線思考が、新鮮で喜ばれるようです。男女の思考の違いは、宇宙に例えると分かりやすいと思います。

・オンナ目線:「プラネタリウム思考」。360°展開して全てのことを考える
 ・オトコ目線:「ロケット思考」。目的地1点に絞って必要最小限を考える

女性から相談を受けるとプラネタリウム的に色んな要素が出てきます。例えば

・色んな登場人物が出てきて、複雑な関係に困っている
 ・たくさんの課題やToDoがあって、困っている

そこにオトコ目線のロケット思考的質問を投げかけてみる。例えば、

・「AさんBさんの板挟みで困ってるんですね。ちなみにどっちが偉くてどっちの言うことを優先したら良いんですか?」
 ・「今回のタスクをやる上で、やらなくていいことは何ですか?」

このような、目的地の惑星に到達するところから逆算するロケット思考質問が、女性には新鮮で嬉しい。特に「やらなくて良いことは何?」という質問に対しては「ふーん、そう考えるんだ!」という反応が多かったです。

ただしオトコ目線のロケット思考で、男性がやらかしちゃう注意点があります。「こうした方が絶対良い」と押し付けること。女性は新鮮なオトコ目線を提示されるのは嬉しいですが、押し付けられるのは「うざい」だけ。ボクもこの法則に気づく前はよく「こうした方が良い」攻撃で聞いてもらえなかった失敗をしました。意見の押し付けじゃなく、質問することをお忘れ無く。

女性のことが透視できるスキルは、この世に存在しません。だからこそ、オンナ目線を経験して女性の見方に共感し、オトコ目線で質問して女性の味方に立つお作法は、ブラジャー身に着け、たたむことで見つけました。小さなことからでもいいのです。女性の行動や仕事を経験することから、相互理解は始まるのかもしれません。

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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